natmeの英語ブログ

英語で気になったことを掘り下げています

in hospitalとin the hospital

 

「ブレイクスルー 改訂二版 新装版 英文法36章 ワークブック」(K. Yoshinami 他、美誠社、2015年)というものがあるのですが、今回もその中から気になったものを書き出してみようと思います。

 

著作権のことなども考えて、本文そのままは掲載しません。また、個人的な見解を含む場合があります。ご承知おきください。

 

p.17  5-(1)
前半は時点を示す表現があり、後半はsince then「そのときから」という現在までの期間を示します(sinceは後ろに節も置けますが、このように節以外を置くこともあります。この点はまた機会があったら書きますね)。また、後半は進行形にするものがないと考えても良いかもしれません。
ここまで分かればこの1問は解答が可能です

ですが、この英文、学習者であれば文法的に確認するべきところがあります。これも英語で話しているとスルーしがちなところで、おそらくネイティブ目線だとわざわざ解説しない観点かもしれません。ですが、高校英語の観点からいくと必ず押さえておきたいところが2点あります。

 

①骨折するはfoldではない。
「骨折する」を英語にして、と言われたときに、皆さん、すぐ"break"が出てきますか?"break+one's+体の部位"で骨折することです。
(ちなみに「体を壊す」という表現は別にありますが、興味ある方はbreakなどを調べてみてください。)
こういった「折る」や「壊す」といった日本語の言い回しは比喩表現であるということを理解しておきましょう。なぜなら、骨折はfoldではないからです。
ある程度英語を学んでいると「え、当たり前じゃん」と思う人もいるかも知れません。でも骨って(もちろん部位にもよりますが)「折り曲げられる」ものです。で、それが通常通りに折り曲げられない状態になることを「骨折」と言います。(もちろん「骨折」そのものの意味は1本の骨が途中で折れてしまうことなのですが、英語で言うfoldなどとは意味が異なるということです。)


日本語の面白いところだなと思います。日本語の"折れる"という表現にネガティブな要素を含むところがあるのかなと考えているのですが、英語において体の部位に対して言うところのfoldやbendあるいはturnのような動きを言っているのではない、というのが「骨折」を表現する際の大事な観点です。(科学的分析の際に説明するためにfold, bend, turnなどを用いることはもちろんあると思います。)

いずれにしても骨に対しての怪我など、その体の部位が正常に動かせない状態になることをbreakで表現できる、ということを押さえておきましょう。

 

まとめ①

・通常通り骨を曲げるなどを意味するとき、あるいは腕を組むなどするとき、「折る」や「曲げる」を意味する動詞として、fold, bendなどを使って表現します。

・ケガをするという意味での「骨を折る」「骨折する」という表現は"break one's +体の部位"で表現ができます。「損傷の伴う故障をする」という和訳がしっくりくるイメージかもしれません。

 

 

②in hospitalは誤植ではない

ここも読み飛ばしている方は少なくないかもしれません。

"be in the hospital"と"be in hospital"は全くの別表現です。「病院にいる、と言えば、入院している、と言える」とだけ理解して終わってしまいますと、作文でスムーズに伝えられないことがあるかもしれません。

 

ちょっと例文を作ってみますね。

 

―He is out now? What is he doing now?
―He is in the hospital.
―Ah, does he work there?

 

―He is out now? What is he doing now?
―He is in hospital.
―Really!? What's happened? Where's the hospital? Is he all right?

 

前半のtheが付くパターンだと建物の病院を表します。ここまでスムーズに会話が異なるかは分かりませんが、事前にどこの病院かが分かっているためtheを使うと判断すると、もしこのようなやり取りがあれば医療従事者同士の会話かもしれません。

後半では病院という概念を指してaもtheも付いていません。例えば、theの付かないschoolはそこで行うこと、つまり、授業や部活などをまとめて指します。ではtheの付かないhospitalもそこで行うことと考えると、治療や手術もしくは入院ですよね。帰って来ていない人がin hospitalの状態と言われれば自然と「入院」のこととして理解されるのです。

ここも日本語との違いがでてまして、日本語の場合はtheの様な区別が無いため、建物のことも入院している状態のことも「彼は病院にいます。」と言えば表現出来てしまいます。

 

まとめ②

・hospitalは可算名詞であるため、通常はaやtheなど無しに使いません。そして、日本語の「病院」がそうであるように、通常は医療現場のある建築物をさして用います。

・schoolの無冠詞表現があるようにhospitalも無冠詞で表す表現があります。本来は熟語と言うほどでもないかもしれませんが、日本人としては熟語や慣用表現として覚えていくと良いのではないかとも考えられます。

・be in the hospital「その病院(建物)の中にいる」、be in hospital「入院している」、という使い分けがされているようです。theが付く場合は数える対象として建物を見ている、と把握して良いでしょう。

 

 

 

 

今回はここまで。いかがでしたか。

 

こういったネガティブな内容を扱うのも高校英語以上ではよくありますが、同時におもしろい、楽しいことを表す表現もたくさんありますので、いろんな表現に触れていきたいですね。

 

分かりづらいところなどはコメントいただけますと幸いです。

 

ではまた(=゚ω゚)ノ

 

 

 

 

※this time I talked about: Breakthrough Upgraded English Grammar in 36 lessons Workbook by K. Yoshinami and others, BISEISHA, 2015.