natmeの英語ブログ

英語で気になったことを掘り下げています

for three hoursとthree hours agoは同じ?

 

 

「ブレイクスルー 改訂二版 新装版 英文法36章 ワークブック」(K. Yoshinami 他、美誠社、2015年)というものがあるのですが、今回もその中から気になったものを書き出してみようと思います。

 

著作権のことなども考えて、本文そのままは掲載しません。また、個人的な見解を含む場合があります。ご承知おきください。

 

また、前回、前々回と、同様のご紹介をしているのですが、

 

 

natme-english.hatenablog.com

 

natme-english.hatenablog.com

 

natme-english.hatenablog.com

 

以上の様な完了表現の解説をした内容がありますので、ご希望があれば確認してみてください。(読むか読まないかはお任せします。調子、時間、都合、興味、様々あると思いますので、無理なさらずで。)

 

では、問題に入っていきますね。

 

p.17  5-(5)

まず簡単にお伝えしますと、

・最初は"three hours ago"が過去の時点を示す表現です。

・2文目は進行形で、天気を示すitの状況を補語で示していますが、今その状況であることを示していますので、3文目の内容に対して今もその状況であることを先に2文目で表しており、3文目の内容に対して進行形表現を示唆する"now"の役割を2文目全体で持っています。

・なので、3文目は文末に"now"があると考えて、snowは直前の2文目で状態に変化できる動詞であることは見ています。for three hoursはその時点までの期間を示す表現です。

 

意外と細かい判断材料を見ていく必要がある問題です。ここからちょっと掘り下げてみますね。

 

 

1.startは進行形にできるのか。

startおよびbeginはそもそも、goやcomeと同じく、現在形だと「始める」という、これから行うこと、もしくは「普段ここから始める」という習慣を示します。なので、「始めましょう。」はLet's start!でも良いのですが、「始めてしまいましょう」というような、始めている状態になることを示すために、"Let's get started!"という表現としてよく使うのを見聞きします。さて、「始めているところ」という表現はbe startingで良いのか、という疑問が皆様、浮かびましたでしょうか。やはり進行形にすると「始めているところ」というような状態を示すことはできない、ということになります。

そのため、この前半部分ではそもそも進行形は最初から除外しておくべきだ、というのを把握しておきたいですね。

 

この理屈に近いのですが、

*The meeting started from 8.

であると、8時から、会議を始めるという行為をし続けているように思われる文です。(そのためhas startedとするとさらに強調して「始めるを繰り返している」というような表現です。)

The meeting started at 8.

「8時に始まっている」と日本語では言っても、開始した、という意味であることを把握しておくと良いですね。

 

また、startもbeginも自動詞および他動詞のどちらでも用います。作文の際は色んな書き換えもしやすい動詞ですので、練習しておくと良いかもしれません。

 

まとめ①

・startは状態への変化を示す表現ですので、「~し始めている」という意味合いで進行形にはしないと考えられます。日本語で「始めている」と言った場合ですが、実際には「始まった」と考えられますので、過去形か完了表現の完了用法が適切です。

・ただし、start自体は「(~の時点で)始まった」という言い回しをする、開始の時点を示すのが基本です。始めてから続けていることを表すわけではなく、期間を示す表現は伴いません。そのため辞書などの例文をみても完了表現は多用されていないようです。完了表現で使うこともあるようですが「始まった状態」を示す"get started"も使いやすいようです。

 

 

2.agoとforとsince

さてこの問題、実はメインがagoとforの使い分けのようです。

本来であれば、中学の内容としても良く扱われるのが、「sinceとagoを同時に使わないようにしましょう」という内容です。

 

*He has played tennis since three hours ago.

 

これで解説をよくするのが、sinceとagoは相性が悪いという点です。

個人的によく伝えているのは、sinceが過去の時点から現在に向かう「~以降」という表現、agoは今からさかのぼる「~前」という表現、であるため、

過去から現在へ向かう方向と現在からさかのぼる方向が同時に存在して、

「??どっち??」となるということがあるようです。

日本語でも「3時間前以降」という言い方をすると違和感がありますよね。

ただ、sinceの後ろに節(主語+動詞)が続いてその副詞句としてagoを含む表現が来ることはできるみたいです。なので、次の表現は出来るようです。

 

He has played tennis since the rain stopped three hours ago.

「彼は3時間前に雨があがって以降テニスをし続けています。」

 

(そういえばrainはtheを付けますよね。例文を作ってふと気づきました。ここら辺はまた機会があったら、まとめてみます。)

 

現在完了にするなら

He has played tennis since the rain stopped.

あるいは

He has played tennis for three hours.

としてももちろん大丈夫です。

 

sinceは後ろに続く内容の時点からその文が示す時点までの期間、forはその時点までの期間の長さ、を示します。

いずれにしても、現在までの期間を表したいので、現在完了を示す表現ですよね。

 

さて、agoについてです。現在完了をやっていると、agoの使い方を意外と確認しないかもしれません。僕自身、あまり教えた記憶がありませんでした。

 

*He has played tennis three hours ago.

 

とすると、違和感が出てくるので、あえて非文としてみましたが、実は"~ ago"という表現は今からさかのぼった「~前の時点において」という、過去の時点を表す表現なんです。(実際に使わないかどうかは置いといて)文法的に見た場合にはその時点と結びつかないのが"~ ago"という表現なんです。なので、three hours agoを疑問詞にするとしたら"when"なんです。とすると、やはり現在完了ではなく、過去形、もしくは過去進行形が無難です。(過去完了の可能性も出てくるかもしれませんが、現在完了ではありません。)

 

そこでしっくりくる表現の中にstartなどは入ってきます。

He started to play tennis three hours ago.

 

あるいはただ事実を述べるだけであれば

He played tennis three hours ago.

He was playing tennis three hours ago.

 

という表現もできます。なので、sinceとの相性というのもありますが、現在完了とagoの組み合わせで相性が良くないこともあります。

 

まとめ

・since ~は「~以降」、~ agoは「~前」という表現で、節(主語+動詞)を挟む場合でなければ"since ~ ago"とはしません。

・過去を示す内容で、副詞句にagoを含む場合は、過去の時点を示す表現です。その表現で現在完了は用いないのが基本です。

・for three hoursはその時点までの期間を示す表現です。three hours agoは過去の時点を表す表現です。前者は現在完了を用いる事がよくありますが、後者は現在完了とあまり合いません。

 

 

今回はこの辺で。いかがでしたか。

 

分かりづらいところや不明なところなどはコメントいただけますと幸いです。

 

ではまた(=゚ω゚)ノ

 

 

※this time I talked about: Breakthrough Upgraded English Grammar in 36 lessons Workbook by K. Yoshinami and others, BISEISHA, 2015.