natmeの英語ブログ

英語で気になったことを掘り下げています

neverと現在完了表現

 

 

「ブレイクスルー 改訂二版 新装版 英文法36章 ワークブック」(K. Yoshinami 他、美誠社、2015年)というものがあるのですが、今回もその中から気になったものを書き出してみようと思います。

 

著作権のことなども考えて、本文そのままは掲載しません。また、個人的な見解を含む場合があります。ご承知おきください。

 

前回までに過去記事を紹介したりしています。

 

 

natme-english.hatenablog.com

 

他にも今回の内容にかかわる部分がありますので、興味があって、余裕がある方は読んでみてもらうと分かりやすいところもあるかもしれません。(読むか読まないかはお任せします。ご自身の調子や都合など、優先してくださいね。)

 

(1)~(6)が解けるようになると、(7)(8)は比較的簡単かもしれませんが、「問題を解く」だけでなく、完成した英文を本当に理解できたか、そして、日本語からその英語を作れるか、という面から考えますと、少し踏み込んで考えてみたいところがいくつかあります。

 

まずは解答に必要な部分を簡単にまとめてみます。

 

p.17 (7)

・前半のwhen, 後半のlast weekのどちらも過去の時点を示す表現です。

・表現内容的に進行形にする必要があるかどうか、という観点もありそうです。

 

p.17 (8)

・前半は感嘆文の省略表現です。(以前の記事でも紹介しましたので、今回はこれだけにしておきますね。)

・neverがはこれまでの期間に対してどうであるか、を示す表現です。

・進行形にする必要があるか判断できれば解答はできると思います。

 

それでは、いくつか掘り下げてみたいと思います。とはいえ、今回はあまり文法的な側面でなく、知識面や考え方の話をメインに解説してみます。

 

1.知識面:やはり固有名詞は覚えておきたいですね。

・Ronは短縮形で、Ronaldという人名がもとにあります。発音できるようにしておくとリスニングで出てきたときに分かりやすいかもしれません。

・Londonはイギリスの首都ロンドンのことです。地名と属する国の組み合わせや、国のおおよその場所だけでも把握するようにしておくと、地名が出てきたときにリスニングでも地名だと判断しやすくなるかもしれません。

 

まとめ1

・RonはRonaldという人の名前の短縮形です。

・Londonはイギリスの首都ロンドンのことです。

 

2.returnやseeの使い方

・returnは「これから戻る」という、これも未来の状態への変化を示す表現です。現在形においてはまだ戻っていない状態、もしくは、習慣として戻るタイミングなどをしめします。なお、(7)は後半にlast weekがあるため、どちらも過去の内容を表現します。文法上、過去形でも過去進行形でも解答は出来ますが、やはり高校英語は「この問題の自然な回答は何か」を問われます。戻っている途中の状態ではなく「戻った」タイミングを確認していると考えるのがより自然と判断されるのと、特にnowなど一時的な話を示す内容が無いので、過去形であると自然に判断されます。

・seeには「見る」、「会う」など、よく使う意味合いが幅広くあります。今回は「見る」で、進行形も作れる表現なのですが、進行形の否定の場合は「~を見ている状態」ではない、しかも、neverなので、これまでの期間に対して進行形の否定だと「いつでも見ている状態である、というわけではなかった」というような表現になってしまいます。また、内容的に継続でなく「経験」(~したことがある)という表現と考えると、継続用法の派生として使う完了進行形は最初から除外して考えられると良いかもしれません。

 

まとめ2

・nowや別の文における現在の状況を示すなど、進行形を示唆する表現がなく、動詞が完了進行形を用いる傾向にある動詞でない限りは、あえて完了進行形を作るのは自然な回答ではないとされる場合も少なくないのではないか、と思われます。文法的に作文できるかという観点ではありませんので、注意しておきましょう。

・完了進行形は基本的に継続用法としての完了表現の進行形として考えます。そのため「~したことがある」などの表現では完了進行形を基本的には作りません。

 

※補足:neverがなぜ「一度も~ない」という意味で、完了表現がしっくりくるのでしょうか、また、everの場合はでしょうか。

neverの意味や使い方を考えるためにeverについて確認してみましょう。僕自身苦手意識があるのですが、皆さんはeverの意味や使い方を訊かれた際に答えられそうですか。

現在完了のeverは「これまでに」とよく訳されます。もともとはalwaysのような意味で、意味そのものは「今までの期間全てにおいて」のような表現です。肯定文では用いないことから「これまでの期間全体の中のどこかで」という期間全体を指しながらも具体的な時点を漠然と指すような言い回しです。

この期間全体を指すeverを否定するのがneverです。この場合は、期間全体の否定を示すため、現在完了以外でも否定の強調として用いる事が多いです。現在完了であれば今までの期間ですが、未来表現で用いればこれからの期間全体に対しても用います。

何にせよ「これまでの期間全体においてない状態である」という強い否定の意味を示すので、この(8)のように驚きの表現でも「~なんてしたことない!」というような言い回しとして用いる事がよくあります。

 

 

今回はこの辺で。いかがでしたか。

 

比較的短めにしてみましたが、不明点などはコメントいただけると嬉しいです。

 

ではまた(=゚ω゚)ノ

 

 

※this time I talked about: Breakthrough Upgraded English Grammar in 36 lessons Workbook by K. Yoshinami and others, BISEISHA, 2015.