今回は、「Vision Quest New English Grammar 47」(高校英語研究会・啓林館編集部、新興出版社啓林館、2022年)というものがあるのですが、その中から気になったものを書き出してみようと思います。
※著作権のことなども考えて、基本的には何かの教材の本文そのままは掲載しません。(ただし、誰でも作れる文章など、著作権にかかわらない範囲で作文することはあります。)また、ウィズダム英和辞典 第3版を主に参考にしていますが、個人的な見解を含む場合があります。ご承知おきください。
よく使う用語
・節---主語+動詞の組み合わせを含むまとまり
・句---複数の語で作るまとまりで、主に一つの品詞のように扱うパターンに用います
・非文(" * "で示します)---文法や語用論などからみて誤りと判断される未完成な表現
・不定詞---動詞の原形
また、これまでの記事にもあれこれと書いています。気になる方いらっしゃれば以前の記事をご参考にしてみてもらえると色んな記事を読めるかなと思います。
(読むか読まないかはお任せします。ご自身の都合や調子などを優先してくださいね。)
では問題を見ていきましょう。最初に解くために必要な内容を簡単にまとめてみます。
いずれも、扱っている文法の箇所だけでなく英文全体で意味や状況を捉えて、一番自然な表現を考える前提です。
p.33 4-(2)
・各表現の基本的な意味や使い方それぞれが正確に把握できていれば、解答できるのかなと思います。
・基本的には知識問題なので、すぐピンと来るかどうかで判断して良いかと思います。
では掘り下げてみましょう。
1.知識面:単語など
>>Tony, speak, ability, languages, has,
今回の中ですとこれらの発音、綴り、意味を把握できているか、改めて確認しておくと良いかもしれません。読み方は確認しておけると、意味を押さえる際にも役に立つのではないかなと思います。今回の問題も、日英作文で書き出せるか、日本語と比べながら練習しておけると良いかもしれません。また、今回の中でも主な文法事項を含む内容はこのあと別に項目を作ります。
※なお、念のため記載しますが、学習レベルを問わず質問のよくあがる語は全てあげるようにしています。発音含めて、誤解して覚えてしまっている表現が無いかは何度でも確認する機会はあって良いと思いますので、載せておきます。
まとめに各表現の、今回の問題における意味の一例をあげてみますね。
まとめ1
・Tony「(男性名)トニー」, speak「話す」, ability「能力」, languagesはlanguage「言語」の複数形, hasはhave「~を持っている」の三人称単数現在形,といった意味で覚えられると作文や読解でスムーズに取り組めるかもしれません。
※Tonyは男性名のAnthony, Antony, の愛称です。
2.答えの考え方
今回は不定詞表現を含む英文を完成させるように選択肢から並び替えて英文を作る問題です。レッスンで扱っている文法事項を確認し、基本的には、一番自然なものは何かを考えて回答する問題と考えます。
また、試験対策として考える際には、日本語訳のみで英文になおせるかどうか、という観点で確認しておくとより良いかと推測しております。
p.33 4-(2)
・不定詞とは動詞の原形のことです。
不定詞の概要についてまとめた記事(「不定詞について その1 」)がありますので、そもそも不定詞って何?と思った方は一度ご覧いただけると、より分かりやすいかもしれません。他にも1-(1)の記事(「no one to+不定詞、言い換えると? 」)で少し補足していますので、ご興味ある方はご覧いただけるとより良いかもしれません。
4-(1)~4-(6)については単語同士を組み合わせてどんな組み合わせができるか、模範解答を覚えてもらいながらも、組み合わせを一つでも多く確認していけると良いかなと思います。
・Tonyと組み合わせを作る動詞は何か?
Tonyは主格(組み合わせた動詞を変化させる主語の形)であろうとまずは考えてみます。としますと、組み合わせる動詞は三人称単数現在形か過去形、を組み合わせを考えていきます。動詞の選択肢は"speak"と"has"の2つです。特殊な表現(仮定法現在など)を除いて、三人称単数の主語であるTonyに対して-sのつかない"speak"をつなげることができません。
そのため、"Tony+has"の組み合わせであると考えられます。
・speakはどうするか?
現在形の中で-sがつく三人称単数以外の主語と組み合わせを作る、もしくは、"to+speak"の不定詞で扱う、のどちらか、と考えられます。ということは、
"three languages speak" "to speak" のどちらかである可能性がありますが、
意味的に「three languages speak」とすると、言語がしゃべる、という言語の擬人化がなされます。つまり、文脈的に特殊な内容でない限り自然ではないという推測がされます。
ですので、"to+speak" という組み合わせが自然と考えられます。
ですが、speakとthree languagesはおそらく同時に扱うだろうと予測がされます。「3つの言語を話す」としそうですよね。
speakは自動詞で「しゃべる、話す、発話する」のような表現ですが、他動詞で、「~語を話す」という表現で
たとえば、
He speaks Chinese.「彼は中国語を話します。」
My father speaks a language which I do not know.「私の父は私の知らない言語を話します。」
のように使えます。
ということで次の3つの内容がここまでで推測されます。
1."Tony"の後ろは"has"
2."to"+"speak"でspeakは不定詞の使い方をする
3."speak"の後ろは"three languages"
・abilityの使い方を考えてみると?
何かをする「能力」という意味合いの名詞としては、abilityは可算名詞です。ですので残る選択肢の中では"the"をつける必要が出てきます。
そのため、"the"+"ability"の組み合わせと考えられます。
・今回の不定詞の使われ方
今回はability+to+不定詞で「~する能力がある」という表現です。abilityの内容を説明する表現で、to+不定詞は形容詞的用法もしくは名詞的用法です。どちらの用法に該当するのかというのは、扱う教材によって違いますが、今回の教材では形容詞的用法とされています。
・日英作文対策として、theかaか、もしくは無冠詞か、などは気になる所です。
ability, languageは可算名詞です。単数形であればa やtheなどをつけ、複数形であれば-sをつけて用います。Tonyは人名を示す固有名詞ですので、通常はa(n)をつける必要はありません。
今回はこの辺で。いかがでしたか。
分かりづらいところもあるかもしれません。何か不明点などあればコメントいただけると嬉しいです。
ではまた(=゚ω゚)ノ
※this time I talked about: Vision Quest New English Grammar 47 by Koko-eigo-kennkyuukai and Shinko-shuppansha, KEIRINKAN, 2022.