natmeの英語ブログ

英語で気になったことを掘り下げています

二重目的語と代名詞

 

前回の記事で、日本語の語順から「tell+人+物」が一番自然ではないかと解説を行いました。

恐らく、問題箇所に提示した日本語の語順自体は、その解答を示す意味合いもあって、その語順にしていたのだろうと推測しています。

 

なのですが、実は、もう一つ、正答がこの語順であることをより自然であるとする要素があるんです。

 

前回の記事の補足として、今回はその要素について、短めになるかなと思いますが、書いてみようかと思います。

 

ただし、先に触れておくと、今回書く内容は、「自然」という判断基準で述べられなくもないのですが、基本的には「好まれる」という言い方を辞書などではされています。つまり、「個人差がある」という程度の話になる可能性もありますので、あらかじめご承知おきください。

※いつも通りウィズダム英和辞典 第3版より内容を確認していますが、個人的な見解も多分に含まれる部分があるかと思いますので、この点もご留意ください。

 

 

1.二重目的語を取る動詞などにおける、語順に影響する要素とは、、、、

 

さっそくですが、タイトルにもしており、お察しいただいている方も少なくないと思いますので、その要素について述べますと、「代名詞」があることです。

 

 

 

2.代名詞があることと語順の関係

 

前回の記事そのままだと例文にしづらいので、別途作ってみます。

「あなたは私たちにその事実を話しておくべきでした。」という表現をしたいとき、

「私たちに」→「その事実」の順番なので、英語も同じようにして、

You should have told us the fact.

とすると他の表現よりも自然と考えることもできるのではないか、という内容で前回は書いています。

 

語順的な考え方から、say the fact to us, tell the fact to us, よりも、tell us the factの方が好まれると考えられはするのですが、実はもう一つ、そう考えられる要素が代名詞であるusに含まれているんです。

the factというのも「既知」であるからこそtheを付けてはいますが、usは代名詞であり、かつ、自分も相手も含む、今そこにいる人たちのことを指します。

何のことを指しているかが分かるからこそ代名詞を用います。the factは名詞ですので、usの方がより何のことかは理解されていることと考えられます。

 

こういったとき、語順に好みが出てくるのです。

 

言語を問わず多くのところで好まれるのが、「知っているもの」→「知らないもの」の語順です。

 

知らないものの話を最初に出してしまうと、何のことだかわからず、驚いてしまいます。

 

例えば、初めて訪れる店で、見ず知らずの人と、向かい合って食事をするとします。

この時、

①「塩取ってくれ。ほら、あなたの右手の近くに入れ物があるでしょう。」

という順番で言われると、最初の「塩」がどこにあるのか、最後のセリフまでこちらは分からず戸惑ってしまいます。

②「すみません。あなたの右手の近くに入れ物があるのですが、その塩をとってもらえますか。」

というように、こちらが分かる情報(今回だと「あなたの右手」)から話を始めてもらえると、どれの話をしているのかこちらは理解しやすく感じます。

ただし、互いに常連で顔見知りであればもっと手短に、

③「塩もらっていいかい?」

だけでおそらく済むでしょう。③までくると、「塩」というものも互いに「よく知っているもの」なので、最初から話題にしやすいんです。

 

こんな感じで、時と場合とに依りますが、「知っているもの」ほど文の手前に置くと、互いに何の話をしているのかが分かりやすく感じるんです。

 

その最たる例が英語における代名詞です。主語に該当するものが、新聞などではもちろん普通名詞も多いですが、会話ではおそらく人称代名詞で始めることが多いのではないかと思います。

そのルールを動詞の後ろに置く際の目的語にも当てはめるのが好まれやすいようです。ただし、重点をどこに置きたいか、という観点がある場合はそちらを優先することもすくなくありません。重点を置きたい単語は後ろに置きます。

 

ただし、重点を考える際の例外として、itやthemがあります。この2つが絡み始めると、少し複雑なところが出てくるようです(笑)←

 

「あなたがポールにそれを話す。」なら、

You tell it to Paul.もしくはYou say it to Paul. として、*You tell Paul it. は不自然とされるようです。

 

itを複数形にする場合、つまり「それらを話す」なら、

You tell them to Paul.もしくはYou say them to Paul.として、*You tell Paul them.ともしないようです。

 

ですので、目的語に出来るものが複数ある中で代名詞があるのであれば、代名詞を動詞の直後に置くのがより自然と思われることも少なくない、と考えておいてよいかと推測されます。

 

 

 

3.代名詞が手前に置かれることの例外

 

それでも、代名詞があるからといって、それが動詞の直後に置かれない場合があります。それが、別の代名詞が存在する場合です。目的語がどちらも代名詞(例えば、「それを私に言う」「それらを彼に伝える」など)である場合です。

この場合も、好みで使い方が分かれるところもあるようですが、

基本的に「分かりづらい」と考えられますので、第4文型である二重目的語の形式を使わないようにするようです。

例えば、「あなたが私にそれを言う」なら、

You tell it to me.もしくはYou say it to me.とするようです。You tell me it.も使われるようですが、学習者としてはあまり用いないのが無難ではないかと思われます。

 

 

まとめ

・二重目的語を取る際に、代名詞がある場合は代名詞を動詞の直後に置くことが好まれることも多いです。

・目的語に出来るものが2つとも代名詞である場合は分かりづらいため、第3文型で可能な限り表現します。

・とはいえ、重点を置きたい語がある場合は、その単語を後ろに持っていくように英文を作るとより良い場合があります。

 

 

 

 

今回はこの辺で。いかがでしたか。

 

分かりづらいところもあるかもしれません。何か不明点などあればコメントいただけると嬉しいです。

 

 

ではまた(=゚ω゚)ノ