これまでに引き続き、「ブレイクスルー 改訂二版 新装版 英文法36章 ワークブック」(K. Yoshinami 他、美誠社、2015年)というものがあるのですが、その中から気になったものを書き出してみようと思います。
※著作権のことなども考えて、本文そのままは掲載しません。また、個人的な見解を含む場合があります。ご承知おきください。
また、今回もあえては載せていないのですが、これまでの記事にもあれこれと書いていますので、気になる方は以前の記事をご参考にしてみてもらえると色んな記事を読めるかなと思います。(読むか読まないかはお任せします。ご自身の都合や調子などを優先してくださいね。)
では問題を見ていきましょう。最初に解くために必要な内容を簡単にまとめてみます。
いずれも、問題の箇所だけでなく英文全体で意味や状況を捉えて、一番自然な表現を考える前提です。
p.23 Try Further Challenges! 2-(1)
・各表現の基本的な意味や使い方それぞれが正確に把握できていれば、解答できるのかなと思います。
・注目点としては、時制のなかでも特に完了表現との組み合わせの使い方や意味を把握できているか、かなと思います。
では掘り下げてみましょう。
1.知識面:単語など
>>remember that+節, parents, went out, evening, job, younger sister
※節=主語+動詞の組み合わせを含むまとまり
今回の中ですとこれらの発音、綴り、意味を把握できているか、改めて確認しておくと良いかもしれません。読み方は確認しておけると、意味を押さえる際にも役に立つのではないかなと思います。今回は選択問題ですが、日英作文で書き出せるか、模範解答の日本語と比べながら練習しておけると良いかもしれません。また、今回の中でも主な文法事項を含む内容はこのあと別に項目を作ります。
ちなみに、注にあるため記載していませんが、whenever「~する時はいつでも」, look after「~の世話をする」、についても覚えておけると良いかもしれません。
なお、念のため記載しますが、学習レベルを問わず質問のよくあがる語は全てあげるようにしています。発音含めて、誤解して覚えてしまっている表現が無いかは何度でも確認する機会はあって良いと思いますので、載せておきます。
まとめに各表現の、今回の問題における意味の一例をあげてみますね。
まとめ1
・remember that+節「~を覚えている」, parentsはparent「親」の複数形, went outはgo out「外出する」の過去形, evening「晩、夕方」, job「仕事」, younger sister「妹」、といった意味で覚えられると作文や読解でスムーズに取り組めるかもしれません。
2.答えの考え方
今回は空所補充(穴埋め)の選択問題です。レッスン全体で扱っている文法事項を中心に、どんな表現を入れるのが最も自然かを推測してみましょう。
また、試験対策として考える際には、日本語訳から英文になおせるかどうか、という観点で確認しておくとより良いかと推測しております。
p.23 Try Further Challenges! 2-(1)
最初に主な節の"I remember"がありその後thatに続く「覚えている内容」が続きます。"whnever"に続く節の後、"I"に続けて問題箇所として空欄があり、後ろに"the job ..."が続きます。
選択肢それぞれの意味と、文全体の意味と、文法面でも問題が無いかも確認しながら、どれが一番自然かを確認する問題です。
・選択肢の表現について確認してみると、、、、
getをどのようにつなぐか、という選択肢ではあるのですが、
先にget+the jobでつないでいるこの箇所の意味を確認してみたいと思います。
たしかに"get a job"で「就職する」という意味があり、getの「~得る、手に入れる」という意味をそのまま用いたこの意味で捉えても良いですが、若干しっくりこないかなと言う気もします。これはhaveにも言えることなのですが、getも動詞自体で持つ意味が弱まる場合がよくあり、後ろにくる目的語の名詞と組み合わせて意味を成すように扱うことも多いです。
今回は「職を得る」≒「就職する」というような固い話ではなく、それこそhaveとも意味が近いような感じもしていますが、ひとまず「~を受ける、引き受ける、受け持つ」のような言い回しかなと推測しています。
これに対して、選択肢はどうか見てみます。
must have got・・・①どこかの時点と比較して、その時点までに「引き受けていなくてはならない」、②推量のmust get「引き受けているに違いない」の完了表現として、どこかの時点と比較して、その時点までに「引き受けている状態であるはずだ」、その時点より前から「ずっと引き受けているに違いない」
ought to get・・・社会的な習慣やルールから見ると「引き受けるべきであった」※過去の従属節中なので過去の義務として扱えます。
have got・・・「引き受けてきている」「引き受けた」※現在引き受けているという意味
would get・・・「引き受けることになった」「自ら引き受けようとした」「引き受けたものだった」
といった内容がひとまずは浮かぶのかなと思います。
・状況からどれが一番自然な回答か考えてみます
まずは時制的にどうなのか確認してみましょう。主節のrememberは確かに現在形なのですが、何を覚えているのか、という内容については過去の内容も未来の内容も用いることが可能ですので、問題箇所の時制を判断する基準とはできないと考えられます。
その後に続くwheneverから始まる節を見てみましょう。すると、私の両親が"went out"出かけたときは"whenever"いつでも、というように過去における話をしています。
過去における場面においてどうであったかを述べているのが問題箇所とみられますので、現在の状況を述べている3.は不自然ではないかと推測されます。
・意味的に考えてどうか
基本的には自分(I)の過去の話をしているので、推量ではないと考えられます。その前提で、3.以外の各表現を確認してみますと、
1.のmust have gotの場合、両親が出かける際にはいつでもその時までに仕事を引き受けていた状態でなくてはならなかった。
2.のought to getの場合も1.と似たような意味合いで、両親が出かける際にはいつでも仕事を引き受けるべきだった。
4.のwould getの場合、①過去における未来として、両親が出かける度に仕事を引き受けることになった、②意志未来の過去として、両親が出かける際にはいつも自ら引き受けた、③回顧のwouldとして、両親が出かける際にはいつでも引き受けたものだった。
1.の場合、一見使えるように見えるのですが、「引き受けなくてはならなかった」という過去における義務の表現をしたいと考えた場合、had to getにするか、過去内容を示す従属節(今回の"I remember that"に続く節の様に主な節ではない節)においてmust getとするだけで過去の内容を示せる場合もありますが、今回は主節が現在形ですので、mustよりはhad toが無難です。今回の問題箇所でmust have gotとした場合、「両親が毎回外出する度に、その前にその仕事を引き受けたことがある状態でなくてはならない」という、非文(文法や意味上不完全な文)とまではいかなくても、毎回妹の世話をする仕事をしたことがある状態でなくては両親が外出できないという、文章の意図が分かりづらい内容が表現されますので、まずこの英文を表現しないようにするのが自然と捉えられます。
2.の場合も一見使えそうに見えるのですが、ought to getですと、「両親が出かけるのであれば、兄が妹の面倒をみるのが当然であった」というような意味合いで読めます。
両親が出かける⇒兄が妹の面倒を見る、というのが法律的な「当然」であるのか、と言われれば、答えはノー、であると言って良いでしょう。両親がいるのであれば扶養義務は親にあります。お兄さんが責任を持って面倒を見なくてはならない、というルールは客観的にはありません。なので、もし「するべきであった」という話であれば、一部の人から見た主観もしくはその家庭内のルールということと、推測されます。
これは1.がhad to getだった場合も同様なのですが、もし家庭内のルールとして、「兄が妹の面倒を見なくてはならない」というような状況であったと言っていたとしたら、これをわざわざ表現する場面を考えていく必要が出てきます。
と言いますのも、この表現だった場合、「しなくてはならなかった」というのが「本当はしたくなかったけどやらざるを得なかった」という意味合いに取れないでしょうか。
だとすると、"get"を入れることがあまりしっくり来ないのではないか、という気がします。get the job ofという言い回しですと、押しつけられるというよりは、自らその仕事を取りに行くイメージです。
mustやought toで「しなければならなかった」という表現をするのであれば、
must look after, ought to look after,
の様にget~ofまでの部分は基本使わなくて良いのではないでしょうか。
この様な推測から1.も2.もどちらもあまり自然とは言えないのではないかと推測されます。
※もし仕事を受けに行かなくてはならないという状況であったとすれば、家ごとの独自の状況ですので、これもまた、この英文のみで自然とは推測されないと考えられます。
4.のwould getであれば意志未来の表現(「自らその仕事を引き受けようとした」)もしくは自ら行った行動の回顧(「引き受けたものだった」)と考えることが可能ですので、比較的自然な表現だと判断されます。加えて、wheneverという表現が「~するときはいつでも」という頻度を含んだ表現ですので、回顧のwouldとは相性が良いのではないかと推測されます。
※頻度があるから必ず回顧の表現というわけではありませんので、この点は英文ごとに確認していきましょう。
ということで、"I+would get+the job..."という表現ではないかと推測されます。
まとめ2
・would+不定詞[動詞の原形]「~したものだった」、といった内容を把握しておけると良いかもしれません。
今回はこの辺で。いかがでしたか。
分かりづらいところもあるかもしれません。何か不明点などあればコメントいただけると嬉しいです。
ではまた(=゚ω゚)ノ
※this time I talked about: Breakthrough Upgraded English Grammar in 36 lessons Workbook by K. Yoshinami and others, BISEISHA, 2015.