natmeの英語ブログ

英語で気になったことを掘り下げています

shouldと完了表現

 

これまでに引き続き、「ブレイクスルー 改訂二版 新装版 英文法36章 ワークブック」(K. Yoshinami 他、美誠社、2015年)というものがあるのですが、その中から気になったものを書き出してみようと思います。

 

著作権のことなども考えて、本文そのままは掲載しません。また、個人的な見解を含む場合があります。ご承知おきください。

 

また、今回もあえては載せていないのですが、これまでの記事にもあれこれと書いていますので、気になる方は以前の記事をご参考にしてみてもらえると色んな記事を読めるかなと思います。(読むか読まないかはお任せします。ご自身の都合や調子などを優先してくださいね。)

 

では問題を見ていきましょう。最初に解くために必要な内容を簡単にまとめてみます。

 

いずれも、扱っている文法の箇所だけでなく英文全体で意味や状況を捉えて、一番自然な和訳を考える前提です。

 

 

p.24  1-(5)

・各表現の基本的な意味や使い方それぞれが正確に把握できていれば、解答できるのかなと思います。

・和訳問題なので、語彙と文法面で知っているかどうか、が基本的な基準です。模範解答と自分の回答はどのように違うのかの比較も可能な限りしておけると良いかもしれません。

・注目点としては、助動詞と完了表現との組み合わせの使い方や意味を把握できているか、かなと思います。

 

では掘り下げてみましょう。

 

 

 

1.知識面:単語など

>>seen, such, silly, movie, waste, time

 

今回の中ですとこれらの発音、綴り、意味を把握できているか、改めて確認しておくと良いかもしれません。読み方は確認しておけると、意味を押さえる際にも役に立つのではないかなと思います。今回は和訳問題ですが、日英作文で書き出せるか、模範解答の日本語と比べながら練習しておけると良いかもしれません。また、今回の中でも主な文法事項を含む内容はこのあと別に項目を作ります。

なお、念のため記載しますが、学習レベルを問わず質問のよくあがる語は全てあげるようにしています。発音含めて、誤解して覚えてしまっている表現が無いかは何度でも確認する機会はあって良いと思いますので、載せておきます。

 

まとめに各表現の、今回の問題における意味の一例をあげてみますね。

 


まとめ1

・seenはsee「見る」の過去分詞, such「あんな、そんな」, silly「ばかばかしい」, movie「映画」, waste「無駄な」, time「時間」、といった意味で覚えられると作文や読解でスムーズに取り組めるかもしれません。

 

 

 

2.答えの考え方

今回は和訳問題で、左ページ(p.24)の上部に今回どんな文法要素について取り上げているかは書いてあります。

また、試験対策として考える際には、日本語訳から英文になおせるかどうか、という観点で確認しておくとより良いかと推測しております。

 

 

p.24  1-(5)

以前の記事ではmust+完了表現について述べましたが、その際の考え方と似ていて、完了表現にshouldを付けていると考えていきます。

※助動詞+have doneについて、助動詞の過去を示す完了表現と捉えがちですが、以前の記事でも補足で少し書きました通り、完了表現に助動詞を付けているととらえると語順や理解におけるミスは少なくなりますので、現在完了か過去完了かに助動詞を付けて、"助動詞+完了表現"を作っているととらえると分かりやすいかもしれません。

should+不定詞における完了表現については時が完全に限定されるわけではないようです。ですが、いったん、今よりも過去と考えてみましょう。義務であれば、過去分詞「過去に~した」というものを今持っている、という状況であるべきである、という言い回しです。ですので、現在完了にshouldを付けている(今と比べると過去の時間帯における内容)と捉えていきます。

 

つまり、「過去に~したことを持っている >> ~した」ということであるべき、という今からみて考えられる義務を示す表現と考えられます。そのため今回は時制については今よりも過去の話をしていると考えられれば問題ありません。

 

前回同様にought toとの違いは何かも注目するところです。特に、日英作文の際には、その日本語に対してなぜshouldを問題文では用いているのか、把握しておけると良いかもしれません。

 

 

・英文全体の意味合い

今回は問題箇所の後ろも合わせてみてしまいましょう。

 

see such a ~ movie・・・あんなに~な映画を見る

a waste of ~・・・~の無駄

it・・・映画、もしくは、直前におこなっていた内容(今回は「映画を見たこと」)

ということで、おおよその意味は

私はあんなにばかばかしい映画をみる[みない]+それは時間の無駄だった、

という2つの文であると考えられます。

 

should have+seen...で、ここだけで意味を限定することは難しいです。これを推量(可能性)の表現として考えてみますと、「あんなばかばかしい映画を見なかったはずだ」という意味合いですが、

 

後ろの文でbe a waste of...が過去形で示されています。見ることが時間の無駄だった、という意味合いの文が続いています。無駄だったという表現を見た時に、現代的な考えから行くと、話者[書き手]が良かったと考えているか悪かったと考えているかが判断しづらいところですが、a waste of timeと言う言い回しをする際にはあまり良い表現と捉えておらず、そこに時間を費やさなければよかった、と捉えていると考えられます。

 

無駄であったことをわざわざ言うということは、実際に体験したからそのように考えているのではないかというのが自然とも考えられます。

 

ですので、実際には映画を見ている→見なかったはずという推量ではなく義務のshould→「見ないべきだったのに」という意味、という推測が可能です。

 

ここまでで和訳の回答としては確認ができるかなと思います。

 

ただ、日英作文の際にshouldを使う可能性を把握しておけると良いかもしれませんので、ought toでなくshouldである要因を、最後に考えておきたいと思います。

 

shouldは主観、ought toは客観、とおおよその概念として言われます。今回はなぜ主観のshouldなのでしょうか。

※主観か客観かという判断基準も本来は主観的な物なので、この点はかなり難しいところもあるのですが、個人差もあるものとして、出会う問題ごとに、「そのように考えることもあるのか」、という見方をしてもらえればと思います。

 

前回の記事と重複しますが、改めて書いておこうかと思います。

「~するべき」と和訳する概念に対して、もう一つよく訳される表現として「~するほうが良い」という言い回しも用いられます。今回shouldを用いている要因のヒントとなり得るのが、「誰にとってより良いのか」という観点ではないかなと思われます。

 

道徳的な個人的にもつ主観的感覚がshouldであるのに対して、社会的もしくは規則的感覚がought toとも言われます。

 

I+shouldでつなげた際に、話者から見て、I(自身)にとってその方が良いはずだと考えていると推測されます。

 

I+ought toでつなげた際には、話者から見て、Iがそれをする事で、他の人や物などにとってより良いはずだと考えていると推測されます。

 

つまり、ought toの内容は主語というよりも、話者と言うよりも、さらに別の人に関して、良いと考えられる内容ということ、つまり、他の人に影響がある内容と考えられます。

 

今回は「自身で観た映画に対する評価」の内容です。その映画を見たことで、もしIが見なかったならより良い時間が過ごせたのではないか、という、自身への影響において、より良いものになっただろうはずなのに、という内容です。

 

主観的にということは、shouldの示す内容が、他者に対する内容でなく、主語が自身により良い影響を与えるはずだ、と話者[書き手]が考えているということになりそうです。

 

should・・・主語にとってより良いものを示す

ought to・・・他者との関係性の中においてより良いものを示す

 

このように考えることが可能なのかもしれません。正確なところはまた機会があれば確認して書いてみたいと思います。

 

とはいえ、和訳問題としてはここまで考える必要はありません。

 

改めまして、

 

正確な訳は一度模範解答を確認していただければと思いますが、まとめに今回の和訳問題に必要となりそうな内容をまとめておきますね。

 

まとめ2

・should+have+過去分詞「~するべきだったのに」、といった内容を把握しておけると良いかもしれません。

 

 

※補足

・should have+過去分詞を「~しなかったはずなのに」という訳し方もできますが、後ろの、「無駄であった」という言い回しがつながりにくくなるかもしれません。「見ないはずだったのに見てしまった」→「無駄であった」というのは、時間が足りていないのに映画をつい見てしまった、というような、何か切羽詰まった状況のようにも見られ、映画が面白くなかったという意味ではなくなる可能性が出てきます。特殊な状況下における解釈となり、自然とは言えない可能性が出てくるのと、wasteは「中身のない」というものを本来は示すので、価値を感じるものに時間を費やしたことに対してwasteを用いるのは不自然となるかもしれません。ですので、今回の問題の英文は義務として捉えるのが自然ではないかなと推測されます。

 

 

 

今回はこの辺で。いかがでしたか。

 

分かりづらいところもあるかもしれません。何か不明点などあればコメントいただけると嬉しいです。

 

 

ではまた(=゚ω゚)ノ

 

 

※this time I talked about: Breakthrough Upgraded English Grammar in 36 lessons Workbook by K. Yoshinami and others, BISEISHA, 2015.