これまでに引き続き、「ブレイクスルー 改訂二版 新装版 英文法36章 ワークブック」(K. Yoshinami 他、美誠社、2015年)というものがあるのですが、その中から気になったものを書き出してみようと思います。
※著作権のことなども考えて、基本的には何かの教材の本文そのままは掲載しません。(ただし、誰でも作れる文章など、著作権にかかわらない範囲で作文することはあります。)また、ウィズダム英和辞典 第3版を主に参考にしていますが、個人的な見解を含む場合があります。ご承知おきください。
よく使う用語
・節---主語+動詞の組み合わせを含むまとまり
・句---複数の語で作るまとまりで、主に一つの品詞のように扱うパターンに用います
・非文(" * "で示します)---文法や語用論などからみて誤りと判断される未完成な表現
・不定詞---動詞の原形
また、これまでの記事にもあれこれと書いています。気になる方いらっしゃれば以前の記事をご参考にしてみてもらえると色んな記事を読めるかなと思います。
(読むか読まないかはお任せします。ご自身の都合や調子などを優先してくださいね。)
では問題を見ていきましょう。最初に解くために必要な内容を簡単にまとめてみます。
いずれも、扱っている文法の箇所だけでなく英文全体で意味や状況を捉えて、一番自然な表現を考える前提です。
p.26 1-(1)~(5)
・各表現の基本的な意味や使い方それぞれが正確に把握できていれば、解答できるのかなと思います。
・注目点としては、be動詞の人称変化や時制を正確に把握できているか、かなと思います。
では掘り下げてみましょう。
1.知識面:単語など
>>magazines, sell, convenience stores, car, Italy, Jim, invite, last night, some of, money, steal, last week, these, read, young, people, today
今回の中ですとこれらの発音、綴り、意味を把握できているか、改めて確認しておくと良いかもしれません。読み方は確認しておけると、意味を押さえる際にも役に立つのではないかなと思います。今回は部分書き換え作文問題ですが、日英作文で書き出せるか、日本語と比べながら練習しておけると良いかもしれません。また、今回の中でも主な文法事項を含む内容はこのあと別に項目を作ります。
なお、念のため記載しますが、学習レベルを問わず質問のよくあがる語は全てあげるようにしています。発音含めて、誤解して覚えてしまっている表現が無いかは何度でも確認する機会はあって良いと思いますので、載せておきます。
まとめに各表現の、今回の問題における意味の一例をあげてみますね。
まとめ1
・magazinesはmagazine「雑誌」のい複数形, sell「売る」, convenience storesはconvenience store「コンビニ」の複数形, car「車」, Italy「イタリア」, Jim「(男性の人名)ジム」, invite「招待する」, last night「昨晩」, some of「~の内のいくらか、いくらかの~」, money「お金」, steal「盗む」, last week「先週」, these「これらの」, read「読む」, young「若い」, people「人々」, today「今日では、今日の」、といった意味で覚えられると作文や読解でスムーズに取り組めるかもしれません。
※Jimは男性名Jamesの愛称です。
2.答えの考え方
今回は部分書き換え作文問題です。レッスンで扱っている文法事項を確認し、基本的には、一番自然なものは何かを考えて英文を完成させる問題と考えます。
また、試験対策として考える際には、日本語訳から英文になおせるかどうか、という観点で確認しておくとより良いかと推測しております。
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基本的には「be+過去分詞」を作ればよいですが、notはbe動詞に付けますし、不可算名詞が主語の際には単数扱いします。また、形は一緒でも、原形と過去分詞で読み方が違う単語もあります。覚える際にはよく注意しておきましょう。
また、受動態にはもともとの動詞の主語にあたる物(by+動作主)を明記しないことが少なくありません。以下では、元となる能動態の英文を作ってみますが、元来の主語が無い場合は"they"で統一します。実際には、weやyouなどにする場合もありますので、予めご承知おき下さい。
1-(1)
元の能動態:(S)They (V)sell (O)magazines (M)at convenience stores.
・sell-sold-soldという活用および変化です。
・問題文では、「雑誌というもの」が主語です。雑誌が売られている場所を表すために用いる表現と考えられます。
・一般論的な話(今回ですと、雑誌というものが現状どこで売られているかといえば、という内容)ですので、過去や未来の話ではないと考えられ、こういった場合、直説法現在形を用います。ですので、模範解答も現在形です。
・主語のmagazinesは可算名詞magazineの複数形です。be動詞の活用はareを用います。
※フランス語のmagasinと語源は同じものの、意味はまったく異なり、フランス語でもmagasinとmagazineは別単語として扱いますので、フランス語を学んでいる方は注意しておけると良いかもしれません。
1-(2)
元の能動態:(S)They (V)made (O)this car (M)in Italy.
・make-made-madeという活用および変化です。
・問題文では既に現在存在している「この車」を主語にしています。作られるという表現を使いますが、そこにある車は既に作られたものです。ですので、どこで作られたかを話題にしている英文ではないかと考えられます。
・既に作られたものに対して確認していますので、過去形にするという時制まで、正確に確認する必要があります。過去の話をしていることをbe動詞で表しますので、wasを用います。
1-(3)
元の能動態:(S)They (V)did not invite (O)Jim (M)to the party last night.
・inviteは規則動詞ですので、過去形および過去分詞もinvitedです。
・did notが入りますので、英文の構造の話がしづらくなりますが、構造の話のみをする場合は"did not"を見ない状態で考えます。他の助動詞が入る場合も同じく助動詞やnotは見ない状態で考えます。(この点を深掘りし始めると、助動詞も元々文型を持つ動詞なので、議論が過熱します。結論が恐らく出ないものですので、気づいた人もいったん見なかったことにしておいてください(笑))
・"last night"とあることから、過去の話だと推測されます。そのため、過去形のwasを用いると考えられます。このlast nightがpartyのことなのか、inviteしたタイミングのことなのかは、受け取る側によって変わりますが、「パーティーに昨夜招待されなかった」という表現だとすると、どちらでも良いかもな、という考え方でもありです。
1-(4)
元の能動態:(S)They (V)stole (O)some of my money (M)last week.
・steal-stole-stolenという活用および変化です。
・"last week"とあることから、過去の話だと推測されます。そのため、過去形を用いると考えられます。
・some of~なのに解答を見て、なぜ”was”なのか疑問に思ったかたもいらっしゃるかもしれません。moneyが不可算名詞ですので、some ofが付いたとしても、some of my moneysやmoniesとはしませんし、複数扱いもしませんので、ぜひ知っておけると良いかもしれません。
※moneyが不可算名詞であることに疑問を持つ方も少なくないかもしれません。では、日本語で考えてみましょう。「お金は数えるもの」ですが、確かにそうです。ですが、「1お金」「2お金」というように数えるでしょうか。日本人であれば、お金は「1円」「2円」ですよね。「お金」という概念そのものは数えられません。
※今回のmoneyのように、理屈で考えれば分かる不可算名詞もあるのですが、言語ごとに可算名詞か不可算名詞かがことなるなど、必ずしも理屈のみで割り切れない場合もありますので、必要に応じて単語ごとの可算不可算の区別を覚えておけると良いかもしれません。
1-(5)
元の能動態:(S)Many young people today (V)read (O)these books.
・read-read-read(/riːd/-/red/-/red/)という活用および変化で、文字上は変化がなくとも発音上の変化はしています。
・"today"とある通り、今日(こんにち)の話をしていますので、現在形のareを用いると推測されます。
だいたい、こんな感じでしょうか。受動態にした英文は実際の模範解答をご確認いただければと思いますが、今回こちらで作ってみました能動態の英文をそのまま受動態にしてみて頂ければ解答を作れると思います。
能動態から受動態への作り方について、詳しくは、以前記事を作りましたので(受動態に向けて )ご興味ある方は確認してみてください。今回の記事内で"(S)(V)(O)(C)(M)"をなぜ振っているのかはそれを基に確認いただけたらな、、、という狙いもありますので。
今回はこの辺で。いかがでしたか。
分かりづらいところもあるかもしれません。何か不明点などあればコメントいただけると嬉しいです。
ではまた(=゚ω゚)ノ
※this time I talked about: Breakthrough Upgraded English Grammar in 36 lessons Workbook by K. Yoshinami and others, BISEISHA, 2015.