「ブレイクスルー 改訂二版 新装版 英文法36章 ワークブック」(K. Yoshinami 他、美誠社、2015年)というものがあるのですが、今回もその中から気になったものを書き出してみようと思います。
※著作権のことなども考えて、本文そのままは掲載しません。また、個人的な見解を含む場合があります。ご承知おきください。
また、これまでに完了形について書いた記事がいくつかありますので、
気になったものがあれば見てもらっても良いかもです。特に完了形に苦手意識がある方は、こんな考え方もありますよ、という意味合いで書いてますので、ご興味がございましたら。
(もちろん、読むか読まないかはお任せします。ご自身の都合や調子を優先してくださいね。)
では、今回も問題に入ってみます。
p.17 (6)
解き方だけをみるなら、前半も後半もyetがあり、finishは状態に変化できるか、、、ここが把握できていれば解答が可能です。
とはいえ、これだけで分かるなら、多分この問題で悩まないですよね。もちろん、ここまでの記事を見てくださっている方々は、何となくわかってくださっているかもしれませんが。それでも、英語を学ぶ身としては、もう少ししっかり解説が欲しいという方も少なくないと思います。
というわけで、この問題もここからいくつか解説を追加してみます。僕目線なので、及ばないところもあるかもしれませんが、ご承知おきください。
文法的な内容もありますが、単純な知識面も把握したいところがありますのでいくつかお伝えします。
1.知識面の概説: 人物名の把握、時間表現の所有格
・Andrewが人の名前というのは大丈夫でしょうか。カタカナでアンドリューとだけ覚えていると読めない上に、読めないということは書けません。こういった人物名は特に、日本人からすると読み方が分かりづらい場合が多いですので、発音できて、読める、書ける様に練習しておけると英語での活動がしやすい面も増えるかもしれません。
・時間表現を所有格によくします。つまり~'sという変化形です。よく使うのは、tomorrow's morning, yesterday's homework, の様な表現です。人でなくともこの様に所有格を作って、形容詞的に使うことが可能です。
Did you start today's homework?
Tomorrow's morning, please come here at seven thirty.
ただ、tomorrow's morningの様な表現はわざわざ所有格にはしないことも多いみたいです。
Tomorrow morning, please come here at seven thirty.
いずれも表現は可能です。
まとめ1
・Andrewは人の名前です。日本人でも耳にすることがあるくらいには知られている、英語圏のファーストネームの1つです。高校以上のレベルではこういった英語で普段から見聞きする名前は学習者が「知っている」はずであるとされますので、可能な限り発音や綴りを正確に覚えておくと良いかもしれません。
・"~'s"で表現される所有格「~の」という言い回しは、人以外でも用います。yesterday's, today's, tomorrow's, といった表現は頻出ですので、自身でも練習しておくと、出てきたときにも理解しやすいかもしれません。
2.finishの使い方
・finishもまた状態への変化をこれから行う、という表現です。なので、進行形にできるか、というところが問題になります。
さて、日本語で「終わっている」と言ったとき、これを進行形だと、もし考えるとします。
この表現をするとき、それって「終わってない」でしょうか、それとも「終わった」のでしょうか。
これは、以前の記事に書いたstartと同様です。
「始まっている」は既に「始まった」ことを示しますよね。
「終わっている」も既に「終わった」ことを示していませんか。
なので、日本語と英単語の概念に若干の相違が生まれます。
現在形でfinishを使う場合、決まっている予定、習慣などで「終わる」という表現をしますが、「~を終える」という言い回しとはニュアンスの異なる部分ではないかと考えています。
She often finishes her homework before supper.
「彼女はしばしば夕食前に彼女の宿題を終えている。」
Yesterday, she finished her homework around midnight.
「今日は、彼女は深夜あたりに彼女の宿題を終えた。」
一つ目は習慣の例です。二つ目は具体的な内容を取り出した場合です。
そして、過去形を考えてみると「終えた状態」を示していますよね。
そして、もし、進行形を作るなら、「終えようとしている状態」という、終えてはいない状況を示さざるを得ないのです。
なので、「終わった」という表現の際に、finishを進行形にする選択肢は最初から除外できると良いかもしれません。
そして、今現在「既に終えた状態」であるのを示すために完了表現の完了用法を用います。過去に終えた内容に対して今の「終えた状態」につながるので現在完了を用いることが出来ます。
終わったタイミングを言う場合は過去の時点を確認するので過去形finishedですが、
今終わっているかどうかを確認するなら現在の状態でかつ終えた状態を言うために、現在完了have finishedとします。
まとめ2
・finishは、終えた状態へこれから変化することを示す動詞です。「終えている」など既に終わったことを示すのであれば完了表現や過去形を用います。
・とりわけ、「今の時点で終わっていること」を伝えるのであれば、現在完了を用います。過去の時点を示す表現を伴って、「いつ終わったのか」を伝える場合は過去形を用います。
3.現在完了の作文の仕方
この問題、完了表現の疑問文と否定文は正確に作れるか、についても問われる問題です。
時間の関係もあって、今回はまとめのみ書いておきますね。また機会があったら詳しく書いてみようと思います。
まとめ3
・現在完了の助動詞haveは三人称単数現在形があり、一般動詞のhaveと同じく、助動詞のhaveもhasに変化します。
・疑問文を作る際にはhaveと主語を倒置(ひっくり返し)をして作ります。※doは使いません。このhaveは助動詞なのでcanやwillを使う文と作り方は同じです。
・文を否定する際のnotを付ける際には (否定文を作る際には) 倒置できる動詞にnotを続けますので、haveにnotを続けます。
今回はここまでにしてみます。
いかがでしょうか。分かりづらいところもあると思いますので、気になる所はコメントなどくださると嬉しいです。
ではまた(=゚ω゚)ノ
※this time I talked about: Breakthrough Upgraded English Grammar in 36 lessons Workbook by K. Yoshinami and others, BISEISHA, 2015.