natmeの英語ブログ

英語で気になったことを掘り下げています

完了形と完了進行形

 

今回は「ブレイクスルー 改訂二版 新装版 英文法36章 ワークブック」(K. Yoshinami 他、美誠社)から、(すみません、まだ出版年未確認です。)

 

引き続き完了表現についてです。

 

著作権のことなども考えて、本文そのままは掲載しません。また、個人的な見解を含む場合があります。ご承知おきください。

 

さて、今回はここです。

 

p.16  4-(1)~(4)の4問

 

ここは、示されている英文に対して、期間の長さを表す副詞句をnowと入れ替えた時、継続用法の現在完了と現在完了進行形とどちらがより自然であるか、実際に書いて英文を完成させる問題です。

 

とはいえ、問題そのものは既に現在形と現在進行形とに分かれていますので、答え方は簡単ですよね。

 

ただここで注目しておいてほしいのは、「現在完了進行形」にするのが不自然な英文がある、とされるところです。

 

この内容を中学でも高校でも扱う際に、まず、「現在進行形にしない動詞」があることを知っているか、これを問われます。

 

もちろん、特殊な表現や、熟語などもあるため、絶対では無いですが、

「状態を表す動詞」は、通常、進行形にはしません。

 

たとえば、(と言って解説する際にこの動詞を出すとほとんどの場合驚かれるのですが、)

haveは進行形にしないことは大丈夫でしょうか。

 

haveを和訳すると「持っている」状態を表していると皆さんご存知ですか。

 

進行形を「~している」とだけ覚えてしまうと、思わぬところで点数を落としてしまうこともあるかもしれませんので、ぜひ把握しておくと良いかもです。

 

さて、進行形ですが、be動詞で表しますよね。

 

be動詞の後ろに来るものは、何を修飾(説明)するでしょうか。

 

、、、そう、主語ですよね。

 

本来的に言えば、確かに、進行形と分詞修飾は分けるべきかもしれませんが、

 

慣用的な表現などを見ても分かる通り、

 

進行形は-ingが「主語の状態を表す」表現です。

 

日本で現在完了進行形を確認していると

 

「現在完了を進行形にする」というイメージが強い気がしますが、

 

「現在進行形を完了形にする」というのが分かりやすい気もしています。

 

本来進行形は「その瞬間を切り取った一時的な状態」を表すものです。「その状態を継続している」というのが現在完了進行形なのではないかなと思うのです。

 

なので、例えば、

 

(i)She has sung for three hours. 「彼女は3時間も歌ったのです。」

(ii)She has been singing for three hours. 「彼女は3時間も歌っている状態であったのです。」

 

(i)は彼女の動作の継続を示しています。

(ii)は彼女の状態の継続を示しています。

 

どちらも3時間歌いあげていることは同じです。事実は変わらない可能性もあり、完了形の3用法のうち「継続用法である」ことを明確にするために進行形にする、という考えで良いです。

 

それでも、(i)は「3時間も歌った」という長さを示しているのに対して、

(ii)はbe動詞なので-ingが主語の状態を示している、つまり主語の状態を表す言い回しの完了形なのです。ということで、「3時間もの間、彼女は(どのタイミングを取り出しても)歌っている状態でありつづけた」という彼女がどんな人であるかという説明の部分に焦点が置かれています。やはり完了表現とはいえ、通常の現在進行形と同じく主語の説明であるということです。

 

進行形は主語の状態の説明、完了進行形は主語の状態が継続することを表す、これが基本的な考え方ではないかなと僕は考えます。

 

問題に戻ると、(2)(3)はすでに進行形ですので、-ingが主語の状態を表していると把握できますでしょうか。その継続を示す完了表現なので、現在完了進行形にします。

 

(1)はすでにbe動詞がありますよね。hereが主語の状態(ここにいる状態)を示しています。それを完了形にするだけなので、進行形にするものがありません。もちろんbeは状態動詞です。

 

(4)wantも状態動詞であることは大丈夫でしょうか。現在形で既に「望んでいる」という状態です。なので、ここも進行形にするものがありません。

 

ちなみに、状態動詞でも慣用表現で進行形を作ることがあります。それこそ主語の説明をするために用いる表現だと僕は考えています。状態動詞で進行形が来た場合はなぜ進行形表現であるのか、そもそも進行形なのか、といった内容に注意してみると良いかもしれません。

 

また、状態動詞が進行形を作る際に、「~しようとしているところ」という近い未来の表現であることを示すことも多いです。進行形が未来を示すということについては進行形の内容を確認してもらいたいですが、

 

その典型例がbe going toではないかと思っています。

 

goやcomeは進行形にしない動詞でよく話題に上がりますが、未来を示す表現としてはかなり使います。

 

さて、少し話がずれましたが、問題の解き方としては「(状態動詞でない動詞を使って)状態の継続」を示す際に完了進行形を用いるということになるのではないでしょうか。

 

「~時間もの間...している状態であった」などの様な表現であれば基本的に主語の状態の話になりそうだと予測を付けることも可能かもしれません。

 

ちなみにp.17  5-(1)~(8)についてはそういった観点が意識できると解きやすいです。

 

 

まとめ

・現在完了進行形は現在進行形を完了形にしており、主語の状態を説明する表現です。

・進行形に出来ない表現は現在完了進行形でも用いません。

・「~している状態が続いている」という状態の継続を現在完了進行形は示しています。

 

※補足

・動詞や表現によって、完了形が好ましいパターンと、完了進行形が好ましいパターンと、それぞれあるようです。作文などの際は辞書をひくと「進行形にしない」「完了進行形を良く用いる」など書いてあることもありますので、必要に応じて調べてみると良いかもしれません。

・状態動詞の進行形あるいは進行形の様な表現は、未来(実現していない状態)の可能性、一時的な状態の可能性、状態動詞でなく動作動詞としても使う動詞である可能性、など多岐に渡ります。そもそもその単語の定義を全部は把握していない可能性があるので、気になる動詞は必要に応じて調べると良いかもしれません。

 

今回はこの辺で。いかがでしたか。

 

分かりづらいところも多いのですが、

何か気になることなどあったらコメントなどくださるとうれしいです。

 

ではまた(=゚ω゚)ノ

 

 

※this time I talked about: Breakthrough Upgraded English Grammar in 36 lessons Workbook by K. Yoshinami and others, BISEISHA (Sorry, I could not find the year of their publishing this book)