natmeの英語ブログ

英語で気になったことを掘り下げています

期限であるか期間であるか

 

これまでに引き続き、「ブレイクスルー 改訂二版 新装版 英文法36章 ワークブック」(K. Yoshinami 他、美誠社、2015年)というものがあるのですが、その中から気になったものを書き出してみようと思います。

 

著作権のことなども考えて、本文そのままは掲載しません。また、個人的な見解を含む場合があります。ご承知おきください。

 

また、今回もあえては載せていないのですが、これまでの記事に完了表現の内容を何度か書いていますので、気になる方は以前の記事をご参考にしてみてもらえると色んな記事を読めるかなと思います。(読むか読まないかはお任せします。ご自身の都合や調子などを優先してくださいね。)

 

では問題を見ていきましょう。最初に解くために必要な内容を簡単にまとめてみます。

 

いずれも問題箇所の前後だけでなく、英文全体で意味や状況を捉えて、一番自然なものはどれか、を考える前提です。

 

p.19  4-(6)
・for a monthがその時点までの期間を示す表現です。
・be in the hospitalの意味、時間表現が無いかの把握をしましょう。

 

p.19  4-(7)
・by sevenがその時点までの期限を示す表現です。
・supperの意味、時間表現が無いかの把握をしましょう。


ではここから掘り下げてみましょう。

 

1.単語など知識面の確認

 

>>hospital, month, tomorrow, supper, eaten

それぞれ発音や意味、綴りも含めて、正確に覚えておけるとこういった問題や読解、作文についてもよりスムーズになるかもしれません。

 

この中ですと、tomorrowは「さすがに分かる」という方が多いとは思うのですが、この単語は綴りを書けないという声が、また僕自身も書くとき間違えそうになる単語なんです。今は発音と綴り、音節の規則を少し知ってはいますので、だいぶ間違えなくはなったのですが、発音と綴りを合わせて練習することが慣れていないと、ふとした時に間違えることも少なくないのではないかなと思います。

ちょうどこの4単語は実際の音声を聴いていてもかなり迷いやすい単語ではないかなと思います。音声を聴いて書き出したり、日英作文をする際に、綴りがあっているかよくよく注意しておけると、普段のリーディングや作文でもよりスムーズにすることが出来るかもしれません。

 

month, tomorrowは普段から練習しない場合もあるかと思います。そもそも読めないという声も伺うことがよくありますので、基本単語だからと思わずに、正確に読むそして書く、という練習はあとあと役に立つこともあるかもしれません。
この後のまとめに今回の問題でみた時の各表現についての和訳の一例を書いてみますね。

 

まとめ1.
・hospital「病院」、month「月(~カ月)」、tomorrow「明日(で)」、supper「(軽めの)夕食」、eatenはeatの過去分詞、です。

 

 

2.byとuntilそしてfor


さて、今回の2問ですが、問題を見るだけなら、選択肢と英文そのものを正確に読んでいて、今回はwhenなど時間を表す節(主語+動詞を含めたまとまり)の中ではありませんので、比較的解きやすいのではないかなと思います。ただし、解けるのと理解できているのはまた別の話ではあります。試験などでは一部を入れ替えて出題なんていうのもしやすいところですので、その点を少し書いてみようかなと思います。

for+期間、という表現については、例えばfor an hourなら「1時間」という期間の長さを示します。それがいつなのかを示すのはまた別の表現を用います。こういう表現をしたいときに*for this hourや*for this morningのような表現はしません。
(forに続く内容が動作の期間ではなく、an photo album for that summerのように名詞の修飾語句として特定の対象期間を示すことはあります。)

 

by+タイミング、という表現では、例えばby tomorrowなら「明日まで」という動作をする(終える)期限を示しています。一方でその動作や状態をし続けることを示すわけではありません。


動作や状態の継続を示す場合はuntil[till]などを用いて表現します。

なので、byとuntilは動詞との組み合わせが合う場合と合わない場合もあります。また、どちらも用いる場合でも、否定文であれば基本的に変わりませんが、肯定文では意味合いが異なる場合があります。

 

(i)I want to be here by tomorrow.
「明日までにはここにいたいと思います。」

(ii)I want to be here until tomorrow.
「明日まではここにいたいと思います。」

 

この2つの違いは大丈夫でしょうか。(i)は「明日までにいる」、つまり、今日はいない可能性があります。(ii)は「明日まで居続ける」、つまり、今も"here"「ここに」いて、明日まで継続している状態を保つことを示しています。

 

ですので、期限を示すbyも継続期間を示すuntilも、どちらも完了表現は相性が良いのですが、byは完了表現の中でも完了用法、untilは完了表現の中でも継続用法と合わせて用いことが多いのではないでしょうか。

また、進行形は「状態」を示しますので、untilなどを用いた完了表現の継続用法と相性はよく、完了進行形は完了表現の3用法の中でも継続用法であることを示すために用いるものでもあります。

 

改めて問題の解き方に戻りますと、

p.19  4-(6)については、tomorrowが「明日」なので、明日の時点の話をしています。時制として現在や過去とは切り離して考えます。whenなどの時間を示す副詞節の中ではありませんので、willはそのまま使います。現在形、現在完了、過去完了は除外して考えるのが自然ではないかと推測します。

意味としては"tomorrow"のみでいつの話かを捉えます。その時点に対して、be ... for a monthまでが一つのまとまりとして捉えます。

 

p.19  4-(7)については、tonightがあるため、習慣を示す現在形は除外して、期限を示すbyがあるため継続用法を示す現在完了進行形は除外できます。

さて考えるべきはここからです。僕自身、未来完了ですぐ回答していました。なので、自然と考えるのは未来完了だろうと思うのですけれど、なぜか、というのが分かりづらいと思います。

というのも、現在完了を入れても非文ではないからです。

たとえば、食べ終わった後の会話で「食べ終えました」という意味合いで現在完了を入れることは不自然ではないと思います。ただ、主語が"we"で、しかも"by seven"「7時までに」という期限を示しています。「誰かが」ではなく「自分たちが」ということなので、お互いが「7時までに食べ終えた」ということを確認するような表現です。「今晩は~時までに~を終えることが出来ましたね。」という会話、、、どんな場面なのか浮かぶでしょうか。何か報告めいているようにも思いますよね。もし、純粋に事実を確認するのであれば、finishを用いた単純な過去形を用いるのが自然かもしれません。

それに対して、例えば「今日の夜どーする?」など予定を考えている際に「7時までには食べ終えていると思う。」という表現は、比較的自然ではないでしょうか。

なので、未来完了を用いるのが一番自然なのではないか、と考えることが出来ると思います。

 

まとめ2
・forは「~の間」という時間や期間の長さ、byは「~の時までに」という期限、untilは「~までの間(続けて)」という継続期間、といったように使い方の異なる前置詞には、少し注意してリーディングや作文でも確認できると良いかもしれません。
・tonightなどのように、複数の時制を使うことが可能な場合、英文全体の意味や、その文が使われる場面を考えてみて、自然な表現は何かを考えられると、英文の理解の際にも役立つかもしれません。

 

今回はこの辺で。いかがでしたか。

 

分かりづらいところもあるかもしれません。何か不明点などあればコメントいただけると嬉しいです。

 

 

ではまた(=゚ω゚)ノ

 

※this time I talked about: Breakthrough Upgraded English Grammar in 36 lessons Workbook by K. Yoshinami and others, BISEISHA, 2015.