natmeの英語ブログ

英語で気になったことを掘り下げています

命令文の主語とは?

 

今回も「ブレイクスルー 改訂二版 新装版 英文法36章 ワークブック」(K. Yoshinami 他、美誠社、2015年)というものがあるのですが、その中から気になったものを書き出してみようと思います。

 

著作権のことなども考えて、本文そのままは掲載しません。また、個人的な見解を含む場合があります。ご承知おきください。

 

また、今回もあえては載せていないのですが、これまでの記事に現在完了の内容を何度か書いていますので、気になる方は以前の記事をご参考にしてみてもらえると色んな記事を読めるかなと思います。(読むか読まないかはお任せします。ご自身の都合や調子などを優先してくださいね。)

 

では問題を見ていきましょう。最初に解くために必要な内容を簡単にまとめてみます。

 

p.18  (7)

・ここまでの各問題と同じく、前半の英文と合わせて推測して解答します。
・oneの内容が何かはsuchがついていることからも推測できます。

 

英文全体で意味が分かれば、選択肢が限られていますので解くことは出来ると思います。


1.同格(もしくは呼び掛け)、そして、命令文
前半の英文の主語はなんでしょう。Tomと答える方が、これも少なくない数で、いらっしゃるかもしれません。また、ここはネイティブの方々も、感覚的にTomと答える方もいらっしゃるかもしれません。

 

ですが、ここで正確に見ておきたいのが、lookに-sが付いていないところです。
もしTomがlookの主語で、lookが直接法三人称単数現在形であるなら、"looks"でなくてはならないのです。

 

なので、このlookが原形であることに注目する必要があります。

 

これも英語に普段から触れている方々からすると難しく感じないかもしれませんが、lookからその英文の終わりのピリオド「.」までが命令文であると、すぐに理解できると、英文の流れも掴みやすいのではないかと思います。

 

そう、命令文なのです。ということは、この文の主語に該当するのはyouなのです。

 

実用的な会話文を意識して作ってくれている様なのですが、その見せかけの部分を充実させたうえで、実は、基礎的な部分にもかかわらず、特に日本の英語学習者が良く混乱する部分をこの問題集は、非常にうまくまとめられているなぁと思います。

 

その典型例が、呼びかけであり、文の構成要素には全く入っていない"Tom,"という最初の一言です。しかもこの使い方は言語を問わず使われることが多い言い回しではないかなと推測しています(すべての言語における日常会話を知っているわけではありませんので、あくまで推測です)。

 

そのため、この呼びかけの名詞が、そのまま次の文の主語という認識が強く出る言語も少なからずあると思います。(主語と動詞の組み合わせによる依存的な関係があって初めて主語というものが存在するのですが、そのあたりの、言語学的には激論待ったなし(笑)な内容であるところの、曖昧なところである一般的な概念もあり)ヨーロッパの多くの言語では本来難しくないはずの命令文も、命令文であることが分かりづらい、ということが日本の学習者の間でも少なくないようです。

 

僕の感覚ですが、初見でこの英文が命令文と分かる高校1年生は、、、5割を切るかもしれません。(ただし、見てすぐ認識できるという意味です。じっくり時間を掛ければ理解できる、と言うのは「分かる」状態ではないと考えています。とはいえ、初見で英文を正確に読もうとしていない場合が全体の8割を越える可能性もあると思いますが。)ここは、正確な直訳をあまり教わっていないところもあると思います。文字を読む、書くという訓練を普段からしっかりできてさえいれば、本来は難しくないとも考えられます。、、、それでも、分からない時ってあるんですよね。

 

さて、問題に戻りますが、

 

日本語では呼びかけの後、そのまま文が続けられ、「誰がするか」までは言う必要がありません。何となく名前は浮かぶまま、もしくはランダムに考えてみますが、、、

 

―ねぇ、シン。ちょっとごめんだけど、その皿取ってもらっても良い?

―あ、ハル。あのさ、この問題の解き方一緒に考えてくれない?

 

あえて名前はカタカナにしてみました。ここら辺の日本語の解説は詳しい方にお任せしますが、こういった表現で、後ろの文に「◯◯が」という言い方を入れると、何事かな?と思いませんか。「◯◯に」という言い方で言えなくもないですが、その場合、例えば、

 

―そうだ、ヒロ。兄さんに来てもらおうよ。

―それでさ、ケン。タカに話してくれない?

 

と言うように、別の人に頼むことを呼びかけた相手にお願いする言い方である可能性も出てきます。

 

同じ人の名前を続ければ、相手にお願いする意味合いでもちろん使えますが、第3者の様な言い回しなので、何がしかの意図を含むような言い回しになる気がしますね。(そこまで行くと、ノベルのセリフっぽくもなってきます。)

 

長くなってきましたが、では改めて、この"Tom,"を人称代名詞に置き換えると誰になるのか、です。そのままであれば当然"he"なのですが、後ろに続く文が動詞の原形から始まっており、命令文だと分かります。ということは、"you"がTomであることになりませんか。今回は"you"だと言っても差し支えないんです。とはいえ、Tomのまま文の中に入れるなら途端にyouの話ではなくなりますので、この点難しいですね。

 

命令文で、かつ、目の前の相手がする事を動詞で表していますね。なので、この動詞の主語は"you"です。これを"Tom"としてしまうなら命令文ではなくなりますが、三人称単数現在形の"-s"が動詞に付きます。

 

もちろん、"you"に話しかけているのでその人が"Tom"なのですが、「トムが~する」は第3者の人のする事のように聞こえます。やはりここの主語は"you"なので、少しややこしいですが、文の中では"you"を説明する役割を"Tom,"という言葉がしていますので、読む際にはいったんこの呼びかけは省いて"Look"から始まる文だと考えて読みましょう。

 

こういった呼びかけだけじゃなく、途中で説明的に入れる場合も実際にあります。

 

―Is he, your father, working now?

 

このyour fatherはheの説明です。でもisの主語はあくまで"he"です。heの説明をyour fatherでしています。

 

このように、カンマ「,」で区切られた際に、直前、あるいは直後の名詞などを説明している場合があります。

 

カンマ「,」だから全てがそうだというわけではありませんが、その可能性もあることを知っておくと、特に読む際にはスムーズになるかもしれません。

 

まとめ1

・最初の"Tom,"はyouへの呼びかけです。今回の場合lookから始まる命令文ですので、作文の際には実際に書けるように練習しておくと、こういった文でもスムーズに読みやすくなるかもしれません。

・カンマ「,」を用いて前後にある内容を説明することがあります。(特に名詞については「同格表現」とも呼ばれる説明方法がありますが、その点についてはまた機会があれば書きますね。)

 

 

2.答えまでの考え方+知識面

・look at~で「~を見る」です。前置詞なしに目的語は取りませんので気を付けてみましょう。

・suchは形容詞なので名詞を説明します。限定用法(説明する名詞に直接つなげる方法)で用いるのですが、suchが説明したいのはbeautifulの部分ですよね。なので、名詞句(複数語で名詞である表現)全体に対してくっつけます。名詞句全体と言うことはaも含みますので"a beautiful one"に対してsuchを付けています。ちなみにこのoneはsunriseです。

・neverに対していつから前もしくはいつから後の話かを判断する基準となる表現はありませんが、あえて言うなら、直前の命令文です。命令文、ご存知かもしれませんが、現在形です。現在に対して、言っており、自然に考えるなら「これから見ることはない」というゼロではない可能性よりも、「これまでに見たことが無い」という主観的な事実を言っていると推測できるのではないでしょうか。そのため、「今」を基準にこれまでの期間全ての中で、という話ですので、今回は現在完了形が自然ではないかと考えられるかもしれません。また、継続ではなく経験用法の話なので、進行形にしません。

 

2.についてはそれぞれまとめた状態かなと思いますので、このまままとめの扱いにしたいなと思います。

 

今回はこの辺で。いかがでしたか。

 

分かりづらいところもあるかもしれません。何か不明点などあればコメントいただけると嬉しいです。

 

 

ではまた(=゚ω゚)ノ

 

※this time I talked about: Breakthrough Upgraded English Grammar in 36 lessons Workbook by K. Yoshinami and others, BISEISHA, 2015.