natmeの英語ブログ

英語で気になったことを掘り下げています

否定のときの時制は見落としがち

 

これまでに引き続き、「ブレイクスルー 改訂二版 新装版 英文法36章 ワークブック」(K. Yoshinami 他、美誠社、2015年)というものがあるのですが、その中から気になったものを書き出してみようと思います。

 

著作権のことなども考えて、本文そのままは掲載しません。また、個人的な見解を含む場合があります。ご承知おきください。

 

また、今回もあえては載せていないのですが、これまでの記事に完了表現の内容を何度か書いていますので、気になる方は以前の記事をご参考にしてみてもらえると色んな記事を読めるかなと思います。(読むか読まないかはお任せします。ご自身の都合や調子などを優先してくださいね。)

 

では問題を見ていきましょう。最初に解くために必要な内容を簡単にまとめてみます。

 

いずれも問題箇所の前後だけでなく、英文全体で意味や状況を捉えて、一番自然なものはどれか、を考える前提です。

 

p.19  (4)

・several timesが「数回」という、経験を表すということと、前半の文の時制が何であるかを確認できれば解くことが出来るのではないかと思います。

 

 

それではここから掘り下げてみたいなと思います。

 

1.not ... again

この組み合わせ、どのような意味で皆さん把握していますか。おそらくですが、ぱっと浮かぶ意味としては

「2度と…することはない」みたいな強い否定のイメージかもしれないなぁと、そして、僕自身、今回の問題を初見で考えた時にはそのイメージでした。

このイメージで文全体の意味をサッと把握した場合に、今回であれば「もう一度見たいなんて思えない」というような意味で捉えて、後半は「すでに何度も見たから」というような意味だろうと考えた、僕みたいな方いないでしょうか(笑)←

とはいえ、その場でもう一度読み直してみたら「あぁ、ちゃんと読んでなかったのか」と自分で自分にツッコミを入れていました。

意味自体は大体合ってはいますし、notの強さもそこまで大きくは変わらないかもしれないのですが、

今回は、「また見たいと思ってはいなかった」という意味です。「また~する」という意味のagainですので、言いたい内容の程度の強弱もさまざまで使えるのがこの単語です。wantの否定という意味で考えますと、「したいとは思えない」という日本語ほどの強さを表しているわけでなく「したいというわけではない」というようにただ否定をしているのみです。

 

まとめ1

・not ... again で「もう一度…というわけではない」という組み合わせで考えて良いですが、「二度と…しない」と日本語で言うほどまでの強い否定とは限りません(そこまで行くのであればneverなどを使うかと思います。)

 

 

2.否定表現は時制に注意

さて今回ですが、上に書きました通り、問題の前半の英文は「また見たいと思ってはいなかった」という趣旨の文です。

今回の問題(p.19  4-(4))を見てもらったときに、「あれ?過去形はあった?」と思った方も少なくないかもしれません。

notとwantがあるのは認識しやすいと思うのですが、否定語のくっついている動詞(今回ですとdid)について、読み飛ばしても良いものと認識している場合も少なくないのかな、という体感をこれまで色んな生徒さんと取り組んだ中で持っています。

 

日本で学んでいると、不規則動詞を覚えるのが大変なイメージがどうしても強いのではないかと思いますが、そのおかげで「動詞の過去形」があるのは意識している方も少なくないのではと思います。

一方で、動詞の原形をみたときに、「現在形」だと無意識に考えることも少なくないのかなと思います。

たとえば、

 

I didn't see him yesterday.

They didn't go to the library.

He couldn't say anything.

 

下線を引きましたが、didやcouldを見た時に「過去形」であると意識しづらいのかなと思います。意外と、doの過去形がdid、canの過去形がcould、であるという覚え方を正確に出来ていないことが少なくないのではと考えています。

 

I go to the library. →過去形にすると→ I went to the library.

I don't go to the library. →過去形にすると→ I didn't go to the library.

 

このように、肯定文と否定文は別々に過去形にする練習をしてみると、読むときも理解しやすくなるかもしれません。

 

さて問題に戻ってみますが、前半の英文は"didn't"がある通り、過去の話です。接続詞なしに後半の文がありますが、後半は、前半の内容の理由を示しています。「また~したくなかった」ということの理由として、again「再び」ということはそれまでにしていたということです。そこから後半は「すでに何度も見ていたので」というような意味あいだろうと推測します。その内容をいつの時点で「すでに何度も見ていた」という状況だったかを示す、whenの代わりが前半の文です。前半の文は過去ですので、現在とは離れた内容を示します。「何度も見ていた」という日本語のイメージから過去進行形かと思う場合もあるかもしれませんが、この日本語の表現は「その時点では既に見終えた」状態であることを示しています。

このため、現在形や過去進行形では無いと推測します。そして、several timesがあることから「何回か~したことがある」という完了表現の経験用法が相性がよいため、過去完了が自然ではないかと考えることもできます。

 

まとめ2

・notがある時には文の中のどこにnotが付いているかに注意し、現在形の動詞があるように見えてもdidやcouldなどにnotが付いており、didやcouldなどの表現で過去形を表していることもあります。

「~ times」は「~回、~度」という表現で、「~回…したことがある」という完了表現の経験用法と相性が良い場合が少なくないです。

 

 

 

 

 

今回はこの辺で。いかがでしたか。

 

分かりづらいところもあるかもしれません。何か不明点などあればコメントいただけると嬉しいです。

 

 

ではまた(=゚ω゚)ノ

 

※this time I talked about: Breakthrough Upgraded English Grammar in 36 lessons Workbook by K. Yoshinami and others, BISEISHA, 2015.