これまでに引き続き、「ブレイクスルー 改訂二版 新装版 英文法36章 ワークブック」（K. Yoshinami 他、美誠社、2015年）というものがあるのですが、その中から気になったものを書き出してみようと思います。
※著作権のことなども考えて、基本的には何かの教材の本文そのままは掲載しません。（ただし、誰でも作れる文章など、著作権にかかわらない範囲で作文することはあります。）また、ウィズダム英和辞典 第3版を主に参考にしていますが、個人的な見解を含む場合があります。ご承知おきください。
よく使う用語
・節－－－主語＋動詞の組み合わせを含むまとまり
・句－－－複数の語で作るまとまりで、主に一つの品詞のように扱うパターンに用います
・非文（" * "で示します）－－－文法や語用論などからみて誤りと判断される未完成な表現
・不定詞－－－動詞の原形
また、これまでの記事にもあれこれと書いています。気になる方いらっしゃれば以前の記事をご参考にしてみてもらえると色んな記事を読めるかなと思います。
（読むか読まないかはお任せします。ご自身の都合や調子などを優先してくださいね。）
では問題を見ていきましょう。最初に解くために必要な内容を簡単にまとめてみます。
いずれも、扱っている文法の箇所だけでなく英文全体で意味や状況を捉えて、一番自然な表現を考える前提です。
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・各表現の基本的な意味や使い方それぞれが正確に把握できていれば、解答できるのかなと思います。
・注意としては、主語の人称と動詞の活用に改めて注意しておけると良いかなと思います。
では掘り下げてみましょう。
1.知識面：単語など
＞＞trip, Guam, because of, rainstorm
今回の中ですとこれらの発音、綴り、意味を把握できているか、改めて確認しておくと良いかもしれません。読み方は確認しておけると、意味を押さえる際にも役に立つのではないかなと思います。今回は部分英作文問題ですが、日英作文で書き出せるか、日本語と比べながら練習しておけると良いかもしれません。また、今回の中でも主な文法事項を含む内容はこのあと別に項目を作ります。
なお、念のため記載しますが、学習レベルを問わず質問のよくあがる語は全てあげるようにしています。発音含めて、誤解して覚えてしまっている表現が無いかは何度でも確認する機会はあって良いと思いますので、載せておきます。
まとめに各表現の、今回の問題における意味の一例をあげてみますね。
まとめ1
・trip「旅」, Guam,「（地名）グアム」 because of「～のため、～が原因で」, rainstorm「暴風雨」、といった意味で覚えられると作文や読解でスムーズに取り組めるかもしれません。
2.答えの考え方
今回は部分英作文問題です。レッスンで扱っている文法事項を確認し、基本的には、一番自然なものは何かを考えて英文を完成させる問題と考えます。
また、試験対策として考える際には、日本語訳のみで英文になおせるかどうか、という観点で確認しておくとより良いかと推測しております。
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基本的には「be+過去分詞」を作ればよいですが、notはbe動詞に付けますし、不可算名詞が主語の際には単数扱いします。また、形は一緒でも、原形と過去分詞で読み方が違う単語もあります。覚える際にはよく注意しておきましょう。
また、受動態にはもともとの動詞の主語にあたる物(by+動作主)を明記しないことが少なくありません。
これまでに基本的な受動態の作り方はいくつか記事にしておりますので（受動態に向けて, 受動態に向けて その2、by+動作主 補足）お時間ある時に目を通してもらえると良いかもしれません。
2-(1)～2-(6)では能動態を仮に作ってみますが、特にこの動詞句[群動詞]を用いる際の受動態は、受動態のみで扱う慣用表現の場合もありますので、その際は別の内容を記載するかもしれません。なお、本来であれば別の主語を用いる場合もあるかもしれませんが、受動態に動作主が示されていない場合は、theyを能動態の主語として作成します。
2-(2) 能動態：(S)They (V)called off (O)the trip to Guam (M)because of the rainstorm.
・"call off"という動詞句を使います。cancelの意味で用いられる動詞句です。これからの予定に対してはこの2つ(cancelやcall off)で表現するのが自然なようです。どちらも、既に起きていることの中断にも使える表現の様ですので、使えるパターンは多いかもしれません。
・日英作文対策として、theかaか、という所は気になる所です。
既に決まっていた旅行のことなので、tripに対してtheなのは自然かなとは考えられます。
一方で、「暴風雨」についてtheなのかaなのか迷う方も少なくないのではないでしょうか。今回、過去の話をしていますので、既に起きた事実として暴風雨が挙げられています。気象情報にある公式で知らされた内容をもとに中止しているだろうと推測されますので、特定されています。a rainstormとしますと、複数ある中の1つ、というイメージですので、その時の特定の物という意味合いで"the rainstorm"としているかと推測されます。
加えて、"Guam's"という所有格を作る代わりも兼ねたtheの可能性があるかと思います。つまり、「グアムへの旅行はグアムでの暴風雨で中止になった」というような意味合いがtheだけで示せているところもあるかもしれません。文中にすでにGuamが出てきていますので、わざわざ"the rainstorm of Guam"という表現にするのは不自然かなと思われます。
「そこでの暴風雨」は日本語では言えますが、その意味合いで* "there's stormrain" という言い方にはできませんので、やはりtheが「その場所での」という意味合いが出せるように思います。一方で、これから起こり得るものについて言う時はtheですと違和感があるかもしれませんので、"a stormrain there"のように言うことはできるかもしれません。
・callは規則動詞ですので、過去形および過去分詞もcalledです。
だいたい、こんな感じでしょうか。本来の問題で受動態にした英文は実際の模範解答をご確認いただければと思います。
上でも触れましたが、能動態から受動態への作り方について、詳しくは、以前記事を作りましたので（受動態に向けて 、受動態に向けて その2）ご興味ある方は確認してみてください。
※補足
・今回の場合、模範解答から、次のような能動態で考えてもOKの様です。
能動態：(S)They (V)have canceled[cancelled] (O)the trip to Guam (M)because of the rainstorm.
こちらから作った場合で、把握しておきたいところとしていくつか挙げてみます。
＞＞cancelは規則動詞ですので、過去形および過去分詞もcanceledもしくはcancelledです。
模範解答上ではイギリス綴りのcancelled(" l "を2つ重ねる綴り)を正としていますが、教材的にもアメリカ綴りのcanceled(" l "を1つで書く綴り)を正とするのが良いかとは思います。（どちらも間違いではありません。ただ、普段アメリカの綴りで書いている中でcancelledとする場合は不自然とされる場合もありえます。）
アメリカ英語を覚えたい方は、canceledの綴りでぜひ覚えてもらうのが良いと思います。ただ、学校の授業でこの教材を学んでいる場合でしたら、学校の先生の方針を確認するようにしてください。
＞＞cancelを用いる場合は単語数的に完了表現でないと今回の回答に入りません。過去形にしても上手くいかない時に完了表現の可能性が無いかは各種試験で考えておけると役立つことがあるかもしれません。
＞＞stopやceaseで答えた方もいらっしゃるかもしれません。stopもceaseも「すでに始まっていること」を止めることを示すようです。これから行うtripについて中止にすることはstopやceaseでは通常表さないのではないかと推測されます。一時的に中断することを意味するinterruptやsuspendも同様に既に開始されたもの等に用いるため、今回の問題にある表現では使われないものと考えられます。
今回はこの辺で。いかがでしたか。
分かりづらいところもあるかもしれません。何か不明点などあればコメントいただけると嬉しいです。
ではまた(=ﾟωﾟ)ﾉ
※this time I talked about: Breakthrough Upgraded English Grammar in 36 lessons Workbook by K. Yoshinami and others, BISEISHA, 2015.
