これまでに引き続き、「ブレイクスルー 改訂二版 新装版 英文法36章 ワークブック」（K. Yoshinami 他、美誠社、2015年）というものがあるのですが、その中から気になったものを書き出してみようと思います。
※著作権のことなども考えて、基本的には何かの教材の本文そのままは掲載しません。（ただし、誰でも作れる文章など、著作権にかかわらない範囲で作文することはあります。）また、ウィズダム英和辞典 第3版を主に参考にしていますが、個人的な見解を含む場合があります。ご承知おきください。
よく使う用語
・節－－－主語＋動詞の組み合わせを含むまとまり
・句－－－複数の語で作るまとまりで、主に一つの品詞のように扱うパターンに用います
・非文（" * "で示します）－－－文法や語用論などからみて誤りと判断される未完成な表現
・不定詞－－－動詞の原形
また、これまでの記事にもあれこれと書いています。気になる方いらっしゃれば以前の記事をご参考にしてみてもらえると色んな記事を読めるかなと思います。
（読むか読まないかはお任せします。ご自身の都合や調子などを優先してくださいね。）
では問題を見ていきましょう。最初に解くために必要な内容を簡単にまとめてみます。
いずれも、扱っている文法の箇所だけでなく英文全体で意味や状況を捉えて、一番自然な表現を考える前提です。
p.29 4-(4)
・各表現の基本的な意味や使い方それぞれが正確に把握できていれば、解答できるのかなと思います。
・注意としては、主語の人称と動詞の活用に改めて注意しておけると良いかなと思います。
では掘り下げてみましょう。
1.知識面：単語など
＞＞people, health, more important, than, wealth
今回の中ですとこれらの発音、綴り、意味を把握できているか、改めて確認しておくと良いかもしれません。読み方は確認しておけると、意味を押さえる際にも役に立つのではないかなと思います。今回は書き換えでの部分英作文問題ですが、日英作文で書き出せるか、日本語と比べながら練習しておけると良いかもしれません。また、今回の中でも主な文法事項を含む内容はこのあと別に項目を作ります。
※なお、念のため記載しますが、学習レベルを問わず質問のよくあがる語は全てあげるようにしています。発音含めて、誤解して覚えてしまっている表現が無いかは何度でも確認する機会はあって良いと思いますので、載せておきます。
まとめに各表現の、今回の問題における意味の一例をあげてみますね。
まとめ1
・people「人々」, health「健康」, more important「より重要な、より大切な」はimportant「重要な、大切な」の比較級, than「～より」, wealth「富、財産」、といった意味で覚えられると作文や読解でスムーズに取り組めるかもしれません。
2.答えの考え方
今回は能動態から受動態へ書き換える際の部分英作文問題です。レッスンで扱っている文法事項を確認し、基本的には、一番自然なものは何かを考えて英文を完成させる問題と考えます。
また、試験対策として考える際には、日本語訳のみで英文になおせるかどうか、という観点で確認しておくとより良いかと推測しております。
p.29 4-(4)
基本的には「be+過去分詞」を作ればよいですが、notはbe動詞に付けますし、不可算名詞が主語の際には単数扱いします。また、形は一緒でも、原形と過去分詞で読み方が違う単語もあります。覚える際にはよく注意しておきましょう。
また、受動態にはもともとの動詞の主語にあたる物(by+動作主)を明記しないことが少なくありません。
これまでに基本的な受動態の作り方はいくつか記事にしておりますので（受動態に向けて, 受動態に向けて その2、by+動作主 補足）お時間ある時に目を通してもらえると良いかもしれません。
4-(3)と4-(4)はなぜ2つ書き換えがあるのか、というのが気になる所ですよね。実は受動態と能動態で扱える表現が異なる、という所で、どちらも、よくこういう文法問題では扱われる表現かなという気がしています。
能動態：(V)believe (O)that ...(省略)
・"believe+that節(主語と動詞の組み合わせを含むまとまり)"で「...が～すると信じる、思う」という動詞句を用いています。
・believe+that節で表現する場合、that節が目的語です。
4-(3)と考え方は似ていますが、People believe that節...で「～と信じられている」というような表現としてよく扱われます。
例えば、
(例)People believe that dogs are very smart.
dogsは直接何かを言われているわけでなく、この英文を表現している人が見聞きした、あるいは、理解している内容だと考えられます。ということは、信じているのを見たり聞いたりしたのは"dogs"でなく" I "なのではないでしょうか。
ですので、信じるということを見聞きさせられた対象を受動態の主語として出したいのであれば" I "もしくは話題にあげている人たちの間の誰か、ということになりそうです。ですが、話題にしたいのはdogsについてですよね。なので、believeを用いた受動態を作るとなると、別の表現を作るのが無難で、分かりやすくなる、という所があります。
※ *Dogs are believed that they...とするとdogsが別々に出てきてしまい、また、*People believe dogs that節.という不自然な表現が能動態を作る前提であるため、非文扱いです。
扱える表現の中で、今回の問題も4-(3)と同様に、
(i)that節の主語+be+believed+to+that節の動詞の不定詞
→Dogs are believed to be very smart.
(ii)it is believed+能動態のthat節
→It is believed that dogs are very smart.
というような書き換えが可能です。
※"It … that節."に関連して、4-(3)について触れている前回の記事で補足した内容がありますので、ご興味ある方は合わせてご確認ください。ちなみに、"It is believed that..."のthatも省略して大丈夫なようです。
・"believe A to 不定詞" という表現は可能ですので、(i)は能動態にすることが出来ます。
Dogs are believed to be very smart.
→People believe dogs to be very smart.
但し、この場合、能動態は固い表現で、受動態を使う方がくだけた表現として扱われます。
・日英作文対策として、theかaか、もしくは無冠詞か、などは気になる所です。
healthおよびwealth、どちらも概念の話をしています。いずれも不可算名詞として基本的には扱いますので、a(n)は付けずに、無冠詞でよく用いられます。
・believeは規則動詞ですので、過去形および過去分詞もbelievedです。
だいたい、こんな感じでしょうか。本来の問題で受動態にした英文は実際の模範解答をご確認いただければと思います。
上でも触れましたが、能動態から受動態への作り方について、詳しくは、以前記事を作りましたので（受動態に向けて 、受動態に向けて その2、by+動作主 補足）ご興味ある方は確認してみてください。
今回はこの辺で。いかがでしたか。
分かりづらいところもあるかもしれません。何か不明点などあればコメントいただけると嬉しいです。
ではまた(=ﾟωﾟ)ﾉ
※this time I talked about: Breakthrough Upgraded English Grammar in 36 lessons Workbook by K. Yoshinami and others, BISEISHA, 2015.
