natmeの英語ブログ

英語で気になったことを掘り下げています

playerは「選手」?

 

これまでに引き続き、「ブレイクスルー 改訂二版 新装版 英文法36章 ワークブック」(K. Yoshinami 他、美誠社、2015年)というものがあるのですが、その中から気になったものを書き出してみようと思います。

 

著作権のことなども考えて、基本的には何かの教材の本文そのままは掲載しません。(ただし、誰でも作れる文章など、著作権にかかわらない範囲で作文することはあります。)また、ウィズダム英和辞典 第3版を主に参考にしていますが、個人的な見解を含む場合があります。ご承知おきください。

 

よく使う用語

・節---主語+動詞の組み合わせを含むまとまり

・句---複数の語で作るまとまりで、主に一つの品詞のように扱うパターンに用います

・非文(" * "で示します)---文法や語用論などからみて誤りと判断される未完成な表現

不定詞---動詞の原形

 

また、これまでの記事にもあれこれと書いています。気になる方いらっしゃれば以前の記事をご参考にしてみてもらえると色んな記事を読めるかなと思います。

(読むか読まないかはお任せします。ご自身の都合や調子などを優先してくださいね。)

 

では問題を見ていきましょう。最初に解くために必要な内容を簡単にまとめてみます。

 

いずれも、扱っている文法の箇所だけでなく英文全体で意味や状況を捉えて、一番自然な表現を考える前提です。

 

 

p.28  2-(4)

・各表現の基本的な意味や使い方それぞれが正確に把握できていれば、解答できるのかなと思います。

・注意としては、主語の人称と動詞の活用に改めて注意しておけると良いかなと思います。

 

では掘り下げてみましょう。

 

 

 

1.知識面:単語など

>>just because+節, a good tennis player

今回の中ですとこれらの発音、綴り、意味を把握できているか、改めて確認しておくと良いかもしれません。読み方は確認しておけると、意味を押さえる際にも役に立つのではないかなと思います。今回は部分英作文問題ですが、日英作文で書き出せるか、日本語と比べながら練習しておけると良いかもしれません。また、今回の中でも主な文法事項を含む内容はこのあと別に項目を作ります。

なお、念のため記載しますが、学習レベルを問わず質問のよくあがる語は全てあげるようにしています。発音含めて、誤解して覚えてしまっている表現が無いかは何度でも確認する機会はあって良いと思いますので、載せておきます。

 

まとめに各表現の、今回の問題における意味の一例をあげてみますね。

 


まとめ1

・just because+節「単に~であるという理由で」, a good tennis player「テニスを上手くする人」、といった意味で覚えられると作文や読解でスムーズに取り組めるかもしれません。

 

 

2.答えの考え方

今回は部分英作文問題です。レッスンで扱っている文法事項を確認し、基本的には、一番自然なものは何かを考えて英文を完成させる問題と考えます。

 

また、試験対策として考える際には、日本語訳のみで英文になおせるかどうか、という観点で確認しておくとより良いかと推測しております。

 

p.28  2-(4)

基本的には「be+過去分詞」を作ればよいですが、notはbe動詞に付けますし、不可算名詞が主語の際には単数扱いします。また、形は一緒でも、原形と過去分詞で読み方が違う単語もあります。覚える際にはよく注意しておきましょう。

また、受動態にはもともとの動詞の主語にあたる物(by+動作主)を明記しないことが少なくありません。

これまでに基本的な受動態の作り方はいくつか記事にしておりますので(受動態に向けて受動態に向けて その2by+動作主 補足)お時間ある時に目を通してもらえると良いかもしれません。

2-(1)~2-(6)では能動態を仮に作ってみますが、特にこの動詞句[群動詞]を用いる際の受動態は、受動態のみで扱う慣用表現の場合もありますので、その際は別の内容を記載するかもしれません。なお、本来であれば別の主語を用いる場合もあるかもしれませんが、受動態に動作主が示されていない場合は、theyを能動態の主語として作成します。

 

 

能動態:(S)They (V)made fun of (O)him (M)just because he was not a good tennis player.

・"make fun of"という動詞句を使います。

※他の「からかう」という表現については下に補足を作りましたので、詳しくはそちらで少し書いています。

・日本語訳を見ていて、"a good tennis player"で「テニスがうまい」ということを表現していることに疑問を持った方も少なくないかもしれません。

書き換え表現として出題される文法問題の中にこういうものがあったりします。

"be a good tennis player" ≒ "play tennis well"

goodはplayerを修飾[説明]する形容詞で「上手な」、wellはplayを修飾する副詞で「上手に」、という意味合いで用いています。この2つが同じ意味で用いられるとされているようです。

"play tennis"「テニスをする」からこそ上手いか下手かが見られるわけで、playする人ではありますので、"tennis player"「テニスをする人」ではあるということで、

"a good tennis player"という場合は「テニスをする人としては上手い人」という意味合いで用いることがある、ということです。

"player"が「選手」を表すことも確かに少なくないのですが、そのスポーツなどをプレイする人すべてを指すこともできるので、日本語にしづらい表現の1つではあります。

ひとまず、「テニスをするのがうまい」という言い方をする際に

(i) play tennis well

(ii) be a good tennis player

という言い方のどちらもできると把握しておけると、読む際も書く際もスムーズかもしれません。

今回の問題はそれに対して"not"を付けていますので、日英作文の際には入れ忘れに注意しておけると良いかと思います。

・日英作文対策として、theかaか、もしくは無冠詞か、という所は気になる所です。

"make fun of"のfunについては不可算名詞であるため、"a"を直接つけることはしません。また、この表現そのものは熟語的に扱いますので、特に意図が無ければtheなども付けずによく用いられます。

また、上にあげました、"a good tennis player"は、「テニスを上手くする人の一人」という意味合いです。ここで"the"を用いると、もともとテニスをする誰かを話題にしていたような表現です。彼について"not a good tennis player"であることを理由として挙げていて、文脈上その理由に示した内容を話題に挙げるのは初めてであると考えられます(実はbecauseに新しい情報を示す性質が含まれてもいます)。theを用いてしまいますと、すでに話題にあがっていた誰かが彼であるという話をしているような表現です。

「テニスがうまくない人達の中の一人である」ということを示したいと推測されますので、そういう「~な人達の一人」という意味合いを出せる"a(n)"を用いると自然ではないかなと思います。

・make-made-madeという活用および変化です。

 

 

 

 

だいたい、こんな感じでしょうか。本来の問題で受動態にした英文は実際の模範解答をご確認いただければと思います。

上でも触れましたが、能動態から受動態への作り方について、詳しくは、以前記事を作りましたので(受動態に向けて 受動態に向けて その2by+動作主 補足)ご興味ある方は確認してみてください。

 

 

 

 

※補足

・今回の場合、模範解答にはない、had been laghed at, was poked fun at, had been ragged on, などで回答した方もいらっしゃるのではないでしょうか。

先に、過去完了表現についてですが、文脈によって自然かどうかが分かれそうです。特定の条件下で使えるということになりそうですので、間違いでは無いですが、自然かどうかをこの問題文のみで判断するのであれば、その前に用いるのを避けると良いのかもしれません。

pokeについて、高校レベル以上であれば扱っても良いかとは思いますが、教材の性質上、中学までの範囲を終えた学習者向けである様に考えられます。(英語を専門とするレベルの学生や研究者でも曖昧なところがある内容が多いと思いますので、どのレベルの方でも使って損はなさそうですが。)

上にあげました、laugh at, poke fun at, rag on, は念のためインターネット上で使われているか検索をかけては見ましたが、いずれも受動態の表現は見受けられますので、受動態で扱うこと自体は問題ないようです。

今回の問題としては、語数と語彙レベルから見て、中学レベルでも馴染みのある単語で作ることが出来るmake fun ofという表現は模範解答として適切ではあるのかなと思います。

 

 

今回はこの辺で。いかがでしたか。

 

分かりづらいところもあるかもしれません。何か不明点などあればコメントいただけると嬉しいです。

 

 

ではまた(=゚ω゚)ノ

 

 

※this time I talked about: Breakthrough Upgraded English Grammar in 36 lessons Workbook by K. Yoshinami and others, BISEISHA, 2015.